2007年7月31日火曜日

マイアミ2

実は今回の仕事、私はびびりまくって臨んだのでした。
というのは、お客様は政府の方で、しかも参加される方の中に、「内閣府、事務官のNakasoneさん」という女性のお名前があったからなのでした。
何たって、視察を「偵察」なんていう日本語の貧しい私ですから、政府高官だったらどうしよう・・・出来れば逃げたい・・・と思っていたのですが、現れた女性の苗字には「にんべん」がついていました!
どれだけ胸をなでおろしたか・・・。

しかも20代後半か30代前半の「若い」(私の目からは・・・)方で、とっても感じの良い人なのでした。
あー、私っていつもお仕事する相手には恵まれている!って思いました。

お客様は、それほど英語がお得意でもないようで、今のところはボロが出ずにいます。

るんるん! (今のところ)

2007年7月30日月曜日

マイアミ

なぜか、今マイアミにいます。一応、仕事で来ています。

いろいろと背景情報や経緯を説明していると、一向にブログが進まないので、気の向くままに、適当に書くのがいいのかな・・・と、思い始め、とにかく最新の事項を書いていきます。

先日書いた夫の会社の話は尻切れトンボですが、それはまた後日に機会があれば書くと言う事で、今日は今いるマイアミの話を書きます。

マイアミに来るのは初めて。以前にオーランド(もち、ディズニーワールド!)への経由地として空港は利用したことがあるけれど。
来てみてびっくりしたのは、ここは「アメリカじゃない!」と言うこと。

マンハッタンも別の意味で、アメリカの他のところと全く趣を異にしている別世界だけれど、ここマイアミはまるで「外国」です。英語が通じないことすら、しばしばあるのですから。

じゃあ、スペイン語なのか、と言えば、それだけでなく、今朝、ホテルのエレベーターで一緒になった、ホテルのハウスキーピングのスタッフは、全く聞き慣れない言葉をしゃべっていました。何語か聞いてみると(私は好奇心旺盛なので、質問せずにはいられない)、クレオールだそう。彼らはハイチ出身でした。

昨日乗ったタクシーの運転手さんは、もとはコロンビア出身で、その後ベネズエラに移り、その後マイアミに観光ビザで来て住み着き、レーガン大統領の「恩赦」にて、アメリカの市民権を獲得したそう。

以前はキューバ人が、のしていたこのあたりも、今は中南米の人が多いそうです。

今日は、仕事の後、人から聞いた「一押し」のレストラン(Tabel 8)に行ってみました。ところがレストランそのものは日・月とお休みで、外のバーしか開いてなかったのです。でも食事はレストランのメニューの一部を出すということで、バーでカクテルとワインを飲み、食事もしました。

噂どおり、食事はとってもおいしかった!!! (このレストランはRegentホテルの一部です。)

バーテンが、他のお客さんと話していて、彼がオハイオ出身ということを聞きつけた私は、彼に話しかけずにいられませんでした。ロバートという名のバーテンは、オハイオ州のヤングスタウン出身です。ヤングスタウンはオハイオの北東に位置した、工業都市・・・と言ってもいい町だと思います。

オハイオから来て、マイアミがとっても気に入っていると言う彼がちょっと不思議でした。私は、「オハイオほど人が親切なところはないのに、どうしてここが気に入っているの? サービスだってレベルが低いし・・・」なんて言ったら、「貴女の基準をここにあてはめちゃいけないよ。アメリカの一般的な基準はここには当てはまらないんだよ。」と言われてしまいました。確かにそうです。

私は現在、仕事の時に普段は泊まらないような安めのホテルに滞在しているのですが(というのも、クライアントが日本のお役所で、予算がきついらしい・・・)、とにかく唖然とすることが多いのです。一日の仕事を終えて、夕方部屋に戻っても、タオルが一枚もなかったり、朝食の勘定のレシートが他のお客さんのレシートと一緒になっていたり・・・。(私のカードにチャージされているわけじゃないのですが、レシートは1枚で、他のお客さんの払った分まで載っている・・・。ちょっと想像しがたい状況です。)

でも、ロバート曰く、これがマイアミのいいところで、彼の気に入っている点だそうです。

ロバートに、「オハイオには、あんなに親切な人が一杯いたのに、どうしてマイアミのほうがいいの?」と質問したら、「親切と言う意味ではオハイオ以上のところはないだろうけれど、閉鎖的な人々だし、視野が狭い」と言いました。確かに、彼の言う通りではあります。とっても保守的な環境だったから。

そこで、「個人的で政治的な質問だけれど、構わない?」と聞いたら、
彼は、「ぼくも、この会話を楽しんでいるからどうぞ」とのこと。
それで思い切って聞いてみました。
「あなた、民主党でしょ?」
彼の答えは、「Yes」
「やっぱりね。あなたが育った環境も民主党の環境だしね。」と、私。
「確かに」と、ロバート。でも、彼曰く、今の民主党には、共和党ほど方向性が決まっていなくて、足並みも揃っていないとのこと。そして、彼が付け加えたのは、「ボクは、日本の政治方針がとても良いと感じている。長期的なビジョンがあって、それに向って進んでいるから。」

勿論、私は「それは誤解だよ!」と言いましたよ。日本の政治に長期的なビジョンなんてあるものですか!

私が、彼に言ったのは、「少なくとも、アメリカじゃ大統領が変わると方針が変わるよね。でも日本じゃ誰が首相になっても、結局は同じなのよ。」

それに対するロバートの意見は、「アメリカだって、同じようなものだよ」

でも、私は彼に、言いました。「でも、もしも、現在まだクリントンが大統領だったら、イラク戦争は起きていなかったよね?」

「確かに、そうだね」と言うのが彼の答え。

でも、私が何より感銘を受けたのは、日本で、もしもこんな話を私がバーテンに仕向けたなら、多分「政治には興味ない」とか言って、私の会話には乗らなかったでしょう。そのことをロバートに告げると、彼はこういいました。

「意見を持っていることがアメリカ市民の義務なんだよ。市民の意見に基づいてアメリカは成り立っているんだ。民が意見を持っていることが、アメリカの国を支えている原動力で、そうじゃなければ、アメリカは成り立たない。」

いちバーテンダーにこれだけのことを言わしめる国、アメリカを再度見直した体験でした。

これからもっと、夜な夜なバーに出向こうかな。