2008年1月30日水曜日

アメリカの大学事情11

判りやすいように、再度リストを示す。

大学名  公/私 確率 ランキング A学費  B寮費  A+B
コロンビア   私   ×   9   37,000    9,100   46,100
JHU     私  △   16   35,900   11,100   47,000
BC      私  △   34   35,700   11,700   47,400
WM     公  △   33   25,700   7,400   33,100
UM1    公   〇  24   30,100    8,200   38,300
UM2    私   〇  52   33,000   9,800   42,800
MG(カナダ)公   〇   -   15,000   8,300   23,300
BM    私(女) 〇  24   34,700  11,000   45,700
DC    私    ◎  44   35,800   9,000   44,800
CU    私    ◎ 124   29,200  10,100   39,300
UConn 公     ◎  64    8,800   8,850   17,650

ご覧のように、公立と私立で多少差があるとは言え、安いとは言えない。格段に安いのは、居住州にあるUConn。

しかし、前にも書いたとおり、このUConnの授業料ですら、日本の授業料と並べると決して安くはない。今日のドルの為替レート107円で換算しても、

国立大学 5,666 (606,300円)
慶応大学 8,398 (898,650円)
ICU 13,009 (1,392,000円)
関学 8,640 (924,500円)

なら、どうして、そこまでしてキニコをアメリカの大学に行かせるのか、という話になりそうだけれど、確かに大いに議論の余地はある。が、そう簡単にも行かないのである。勿論どうしても学費が捻出できないとなると、最終的にはそれも視野に入れなければならないかもしれない。キニコが実際に日本語で日本の授業についていけるとは思えないが。

その議論はさておき、目下の問題は、この11校の中で、幾つ合格し、そのうちのどこが進学可能な授業料を提示してくれるかである。正直言って、どこでもいいから、一番安いところに行って欲しい。

私が上記にランキングを入れたのには意味がある。キニコは、私がランキングのことを持ち出すと非常に機嫌が悪くなる。ランキングなどに左右されるな、と言うのである。確かにその通りで、一般的なランキングは、大学の良し悪しや、その生徒にとってその学校が相応しいかどうかには関係がないだろう。けれど、これだけお金が絡むのだから、その価値があるのかどうか、これらの学校に馴染みのない日本人の親としては何を頼りにすればよいのだろうか。

そこですぐさま、USNewsの大学ランキングを見てしまう。この雑誌は毎年大学のランキングを発表している。全米の大学だけが対象で、National Universitiesと、Liberal Art Collegesを別々にランクしている。キニコが受験している11校の中で、BMとDCがCollegeにあたる。

これがそのサイト。http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/usnews/edu/college/rankings/rankindex_brief.php

先日、キニコとCUの面接にでかけた。面接官がコネチカット州の州都のハートフォードのホテルに来て、ロビーで面接が行われた。キニコが面接を受けている間、私は別のソファーで本を読んでいた。面接後、面接官の女性が、私に挨拶に来た。

大学の面接は、キャンパスで行われる場合や、大学が各地を回って行う場合と、大学の代理として卒業生が行う場合もある。今回の場合は、CUのAdmissionのAssistant Directorとの面接だった。おそらくAssistanto Directorは複数いる。自身がこの大学の卒業生(2001)で、まだ若い女性だった。

面接官が、「質問はないですか?」と聞くので、「質問はありませんが、ひと言お話したいことがあります。私は娘が行きたいなら、どこの大学に行ってくれても、全然かまわないのです。但し、その費用が捻出できたらの話です。しかし今のアメリカの授業料で、いったい誰が子供たちを大学に進学させることができるでしょう。はっきり言って無理です。日本の授業料は、トップレベルの私学でさえ、州内の学生の州立大学より安いのです。」と、延々と訴えた。勿論彼女も、だれもこの授業料をフルで払える人などいないと言っていた。そして、「我が校は他の私学と比べて学費も安いし、おまけに寄付も多く、Merit奨学金もたくさん出しています。キニコさんの成績は問題ない、というより、非常にいい成績だし奨学金を出せるでしょう。キニコさんにも勧めましたが、是非Honorsのコースに進んだほうがよいと思います・・・。」云々。

この4年間、耳にしたことのない賛辞を聞いて、とっても気分がよくなってしまった。帰りの車でも、「4年ぶりに、こんなに誉めてもらって、悪い気しなかったでしょ。やっぱり、あまり背伸びしないで、いいんじゃない。賢い子ばっかりに囲まれて、劣等感を感じるより、少し落として、上のほうに行けるのも悪くないかも。それに、なんだか奨学金もくれそうなこと言っていたし・・・。」

私の心の中ではもう、「大学はここだ!」と、取らぬ狸の皮算用をし始めてしまった。でも、合格したわけでも、具体的なオファーがあったわけでもなく、がっかりしてはいけないので、あまり夢を膨らませないようにしよう。

というわけで、勝手に進学先を決めて、勝手に受験してくれる、日本の受験生とは違い、お金とは縁が切っても切れない問題だけに、必要に駆られて親が絡んでしまうのです。あーやだやだ。(自分が体験したことがないだけに、非常に興味はあるけれど、他人事ではないだけに非常に面倒くさいし、頭が痛い!これだけ書いたから、ちょっとは私の心労もわかってもらえるかな。)

2008年1月29日火曜日

アメリカの大学事情10

「キニコちゃんの大学はどうなったの?」と友達からメールがちょこちょこと届く。

その後をコネ通に書いたつもりだったけれど、「ニッポン、チャ、チャ、チャ」で書いたから読み飛ばされていたかも。

キニコは、自分の受験の一挙一動が、ママのブログで暴露されていると知ったら、めちゃくちゃ憤るに違いない。私としては、今のアメリカの大学事情が極端だと思うだけに、興味のある人や、将来的に子供をアメリカに進学させたいとか思っている人への情報となればと思って、書き綴っているのだが。だから、キニコに会っても、「知ってるよ、これこれだったんだってねぇ」なんて決して言わないでよ!

まずは、Early Decisionで申し込んだキニコの第一志望は、Deferred。つまり、今回は不合格でも合格でもなく、一般の受験者の合否を発表する4月に合わせて発表とのこと。

しかし、普通に考えて、EDで採りたいと願うほど優秀な学生でなかったってことは、たとえ4月に合格になったとしても、奨学金がたくさんオファーされるなんてことはあるまい。また、通常Deferredになった学生は不合格になる確率も高いらしい。

キニコのクラスメートでも、EDで申し込んで、Deferredになった子や、不合格になった子が結構いた。2年前のルームメートだった韓国人のエレン。学校でも毎年成績優秀で表彰されていて、プリンストンは確実と言われていたのに、スタンフォードをED受けて不合格。同じく成績優秀な香港と韓国とのハーフのステファニーはスタンフォードをDeferredに。ベッカもTuftsをDeferred。「あら、ベッカもDeferredで、よかったね」などと、心無い励ましの言葉を言ってしまったが、キニコは、「べつに」とクールを装っていた。(絶対、内心ほっとしてたと思う。)キニコの一番仲良しのジェナは、ダートマスに合格。エレンと一緒に我が家にちょくちょく泊まりに来ていた韓国人のキュリもコーネル大学に合格。

キニコは、私が友達の合否がどうなったかと、しつこく聞くと非常に嫌がる。でも知りたいもん。申し訳ないけど、どうしても週刊誌的興味が沸いてしまう。そして勝手にその合否の分析をしたくなってしまう。

たとえばエレンやステファニーの場合。西海岸にはアジア系がひしめいている。成績が優秀でも、人種による比率も、学校にしては重要な要素だから、優秀な生徒が多い韓国人や中国人では、さらに競争率が高くなると想像できる。またエレンもステファニーも成績は非常に優秀だけれど、キニコと同じく、課外活動での評価が弱いと思われる。エレンは、東海岸の高校の物理プロジェクトで優勝したチームのメンバーだったことがあったけれど、私が知っているのはそれくらい。比較的おとなしい子だから。

対してジェナは、女子アイスホッケーの選手で、今年は東海岸で優勝。この学校の女子は毎年いいところまで行く。ジェナは勿論、頭脳も明晰。特に数学が大得意。

だから、アメリカの場合は、成績が良いだけじゃだめなのだ。プラスアルファーがなければ。そのプラスアルファーは、スポーツだったり、ボランティア活動だったり、生徒会活動、各種コンテストで上位に入るなど。単にクラブ活動をやっているだけではだめで、その中での功績が重要視されるのである。

キニコの話に戻る。現在、願書を出しているのが11校!  「多すぎる!」と言ったら、本人は平均だと言う。オンラインで願書を出せてしまう昨今は、一人当たりの受験校数が増加傾向にある。さらに、申し込み無料なんて学校もたくさん出てきて、それが増加に拍車をかけている。生徒のほうは、クリックひとつで申し込めても、成績表などを送る学校のほうは、手間が増えて困っているらしい。

通常、1校あたりの受験料は50ドル~70ドル。11校も申し込んだから、軽く700ドル近くなる。加えてPROFILEやFAFSAなどの奨学金の査定料。これが申込料に加えて、結果を送付する1校ごとに料金がかかる。こういった費用だけでも馬鹿にならない。

進学アドバイザーの先生が、志望校を合格率に合わせてそれぞれ、Reach(ひょっとしたら), Match(妥当), Safety(滑り止め)の3段階に分け、Matchを多めに、他は少しにするように指導している。キニコの場合、冷やかしで受けるコロンビアはReachのさらに上を行くExtra Reach。つまり「逆立ちしても無理」。絶対に受かりっこないのだから、受験料払うだけ無駄だと思うのに。 

11校の内訳は、公立が4校、私立が7校。授業料が一番高いのは、コロンビア。他の私学も決して安くはない。公立の学費も居住州なら安いけれど、州外となるとかなり高い。 11校を、わかりやすく表にしてみた。

大学名  公/私 合否確率 全米ランキング A学費  B寮費  A+B
コロンビア  私     ×      9    37,000   9,100  46,100
JHU    私     △     16    35,900  11,100   47,000
BC     私     △     34    35,700  11,700  47,400
WM    公     △     33    25,700   7,400   33,100
UM1    公      ○     24    30,100   8,200   38,300
UM2   私     ○      52    33,000   9,800   42,800
MG(カナダ)公    ○      -     15,000   8,300 23,300
BM     私(女)  ○      24    34,700  11,000 45,700
DC     私     ◎     44    35,800 9,000  44,800
CU     私     ◎    124    29,200 10,100  39,300
UConn   公     ◎     64     8,800  8,850  17,650

長くなりそうなので、この続きはまた。

2008年1月28日月曜日

Alli(アーライ)3

夫のその後。
パンツを洗ったり、トイレ掃除の努力の甲斐なく、毎日体重計に乗っても体重は微動だせず、アーライはやめました。
ボトルに半分以上残っています。
我こそは!と言う方、差し上げます。
ご連絡ください。

2008年1月10日木曜日

予備選挙2

予備選挙についてブログを書き始めたら、にわかに忙しくなり、書きかけのまま放っていたら、来週はSuper Tuesday。

Super Tuesdayの話は後でするとして、予備選挙について書くにあたって、誤ったことを書いてはいけないと、いろいろと調べて、びっくり。超ややこしいシステムなのだ! こんなの一口で説明できないよ~!

しかし面白い発見もいっぱいだった。とにかく、なるべく簡単に解説したい。

まずアメリカは連邦政府で、州ごとに法律が違うということを、念頭において下さい。したがって、予備選挙のやり方も、州によって様々。それぞれを全て解説しきれないので、大まかにお話ししよう。

アメリカには、ご存知のとおり共和党と民主党の二大政党がある。蛇足だけれど、この二党の党員以外はみんな「独立派」かと思いきや、ほかにもグリーン党だの、リベラリテリアンだの、オバタリアンだの(嘘)、たっくさん政党はあるようだ。しかし、予備選挙は、この二大政党に限っての選挙であり、大統領候補者を一人に絞るための、あくまでも内輪の選挙である。

予備選挙と一口に言っても、実際は、州によって、「コーカス」と呼ばれる党員集会での投票と、「プライマリー」と呼ばれる党員集会がない州での州規模の選挙方法とがある。

大きな違いは、コーカスには党員しか参加できない。典型的なコーカスでの投票方法は、党員集会所に集まった党員たちが、支持する各候補者を後押しする演説をしたり、他の候補者を応援している党員や決めかねている党員を一生懸命勧誘する。そして最終的に、「Aさんがいいと思う人、こちらにまってくださ~い」、「Bさんを応援する人は、こっちに集まってくださ~い」と、応援する候補者ごとに集まり、その頭数を数えるのだ。

プライマリーの場合は、きちんとした選挙の形をとっている。州政府がお膳立てした両党一緒の選挙会場で、一票を投じる。もちろん、どちらか一党にしか投票できない。

しかしプライマリーにも、様々なスタイルがあるのだ。(あー、なんてややこしい。)

大まかには、オープンプライマリー、セミオープン、セミークローズド、クローズドの4種類がある。それぞれの内容も実際には州によって異なるが、一般的にオープンというのは、党員以外でも、誰でも投票できる場合。クローズドは、その反対で党員しか投票できない。セミオープンというのは、党員以外でも「独立派」であれば投票できる。セミクローズドは投票時に党員になれば投票できる。つまり、投票会場へ行って、その場で党員として登録して投票。また投票を終えて、帰りに、「やっぱ、前の党に戻ろっと」なんて、登録しなおすことも可能なのである。

オープンドやセミオープンの場合は、敵対する政党の戦局を混乱させるために、自分の支持する党の候補者に有利になる敵対候補を選出するための工作が図られる可能性があると指摘されているが、実際にそういうことが起きた例はないそうだ。

で、予備選挙で、この二大政党が何を決めているかというと、その州の各党が、最終的に党の大統領候補者を選ぶ、全米のコンベンション(党大会)でのデレゲート(代表者)を決定しているのである。デレゲートとは、州の党を代表する投票者である。各州の各党のデレゲートの人数は、あらかじめ州の大きさ(人口)によって決められている。

選挙の結果に基づいて、デレゲートをどのように割り当てるかは、党や州によってやり方が異なる。
民主党では、通常、選挙の結果の割合に応じて、デリゲートの人数が振り分けられる。最低15%は獲得する必要がある。

例えば、ニューハンプシャーでの結果は、クリントン39%、オバマ37%、エドワーズ17%だった。ニューハンプシャーの民主党のデレゲートの人数は30人。この30人のうち、Pledgedのデレゲート(=特定の候補者に投票することが確約されているデレゲート)の人数は22人。このPledgedの22人を選挙結果の割合に合わせて分ける。結果として、クリントン9人、オバマ9人、エドワーズが4人を獲得。

一方、共和党では、獲得票の多い上位1~2人の候補者で、Pledgedのデレゲートを振り分ける場合と、民主党と同じく、割合に応じて振り分ける方法と二つある。どちらの方法なのかは、州によってばらばら。ニューハンプシャーの共和党のデレゲート数は12人。ここは12人全員がPledgedなので、選挙の結果に応じて、マケイン(58%)が7人、ロムニー(33%)4人、ハカビー(8%)が1人獲得した。

デレゲートの中には、上述のPledgedと、最後の党大会まで誰に投票するかわからないUnplegedのデレレゲートがいる。PledgedとUnpledgedの人数の振り分けも、各州の各党で違う。Pledgedのデレゲートでも、投票することに決めている候補者が最終戦までに脱落していく場合もあるので、この段階で決まったデレゲートの人数だけが、予備選挙の結果を左右するのではなく、むしろ、予備選挙というプロセスを踏んでいく中で、次第に強力候補の顔が見えていくのだ。党大会に行き着くころには、だいたい候補者は決まっている。

さて、Super Tuesdayの話。Super Tuesdayとは、毎年2月や3月のはじめに行われる、最も予備選挙に参加する州が多い日のことで、当然ながら1日にして獲得するデレゲート数も最高になる。今後の戦局に大きく影響することは間違いのない、非常に重要な日である。今年は、2月5日のSuper Tuesdayで予備選挙が行われる州の数が過去最高の24州で、メガTuesdayとかSuper Duper Tuesdayとか呼ばれている。民主党では、Pledgedデレゲートの52%が決まり、共和党ではデレゲート全体の41%が決定する。

ところで、民主党は、伝統的に2月5日以前に予備選挙を行って良いとされている、アイオワ、ニューハンプシャー、ネバダ、サウスカロライナの4州以外で、この日以前に予備選挙を行なったミシガン州(1/15)と、フロリダ州(1/29)のデレゲート数を剥奪してしまった。それゆえ、候補者によっては、この2州での選挙活動を行っていない人もいる。予備選挙の時期が早まると、候補者の選挙資金に大きく影響するかららしい。

各党の各候補者の州ごとのデレゲート獲得数、獲得投票数は下記のウェブサイトで閲覧可能です。
これを見れば、上記で説明した細かな内容が一目瞭然かも。

民主党:http://www.thegreenpapers.com/P08/D-PU.phtml
共和党:http://www.thegreenpapers.com/P08/R-PU.phtml

大相撲みたいに15日でスピーディーな結果は出ないにしろ、徐々に優勝候補が見えてきて、しばらく楽しめそう。今年は北京オリンピックの影響で、党大会が少し遅れ、民主党は8月24日~28日。現大統領を出している政党は、対立政党に遅れて4日後に行うことになっているので、共和党は9月1日~4日。

少子高齢化対策

母から、キャッチに「速やかに」を加えたことに対する反論が来た。
母からのメールを掲載しよう。

「ぼけずにポックリ速やかに」は、子供らの本音の願いやと思いますが、そうは問屋が卸さないのが世の常。
「ぼけて達者で徘徊し、転んで寝付いて15年」
これが私の生き方かもしれません。そのときはよろしく、たらい回しにしてください。 
でも、こんなこといっていたら「言霊」ということがあるので、その通りになったらいかんので私らの本当の願いは「達者で長生き、ぼけずにポックリ」です。速やかには削除!
と、ここまで打ったら、下からパパが「おいっ!すぐおりてこい!」と、なにやらご機嫌の悪い声。なんやろ?と、降りていったら、わたし、二階に上がる前にちょっと熱いお茶が飲みたいと思って、ガスにやかん掛けたまま、そのまま忘れてPCの前に座ってたらしい。我ながら恐ろしい! 
「今度こんなことしたら、10万円罰金!」といわれてしまった。それも、おそろしい。

ありがたいことに、両親は、とっても元気で、いろいろな活動に忙しい。父親はもっぱらソフトテニスに碁会所通い。残りの時間は全てTVの前で過ごしている。一方、母は寸暇を惜しんで、シルバーセンターからの依頼でさまざまなアルバイトをし、小学校の同級生と月一で集まったり(70半ばのジジババが、「女子」「男子」とか、「この子」「あの子」とか呼び合っているのは、少しキモイ)、中学以来の女4人仲間で各地を旅行したり、もう数十年続けている朗読奉仕に出かけ、合間に小説を書き新聞に投稿を繰り返している。とにかく忙しい。私が久々に帰省しても家にいない。アルバイト故、小金も持っているので、今では父親が母にお小遣いをせびっている。二人とも友達がたくさんいるというのが何より。

まぁそんな元気なお年寄りなら、別段「速やかに」行ってもらわなくてもいいので、私も反省。社会保険庁には申し訳ないが、キャッチはこのように変えたい。
「ボケたらポックリ、速やかに」

冗談はこれくらいにして、私には少子高齢化対策に関して、日ごろから言いたいことがある。政府の上辺だけの少子化対策には腹が立つし、年老いて体調を悪くした老人をその身内が身を粉にして世話をしているという状況にも、納得がいかない。

全ての子供と高齢者は、社会の子供と老人なのだと私は考える。子供のいる人だけが、子供の養育費を全て負担し、また老人を抱える人たちがその老人の世話の責任を全て負っている今の状況は、間違っている。

全ての子供、老人が、生まれてきて死んで行くまでに、平等とは言わなくても、ある程度の保障を受けるべきなのだ。

現在の政府の小手先だけの少子化対策。子供の医療費を幼児の間、一部負担したり無料化したり、おむつ代を負担するとか、買い物の時に割引・・・。なんてしょうもない! はっきりいって、子供が小さいときが我が家は一番裕福だった。一番余剰のお金があった。子供で一番きついのは教育費、それも子供たちが大きくなってから。塾だの、私学だの、大学だの・・・これが一番きつい。

塾や、私学や、大学は個人の勝手っという意見もあるかもしれない。でも、実態は、今の公立の小中高校では「塾ありき」なのだ。子供たちが塾に行っていることを前提とした授業内容なのだ。実際にほとんどの子供たちが塾に通う中、それを無視して、あたかも誰も通っていないかのような授業を進めることも難しいかもしれないが、塾の存在を否定しない今の教育現場ってちょっとおかしくないか。塾という企業の存在が、何者かの手によって守られている、そんな気もする。

教育費と同様にきついのが住宅費。子供が多ければ、当然家も広くなければならない。住宅費がものすごく高い中、だれが子供を産みますか。(ついでに、私が強く勧めたいのが、遷都! 何が悲して、ごみごみした東京に人が集まらんとあかんのか!)

とにかく、子持ちの目から見ると、子供のいない人たちは、とっても恵まれているように映る。そして、その人たちもいずれは、誰かの子供に間接的・直接的には世話になるのだ。そう思うと、やはり、子供のいる家庭にもっと手厚い補助があってよいと思う。前にどこかで書いたと思うけれど、フランスでは一人当たり毎年、幾らというお金が政府からもらえる。忘れたけれどかなりの額だった。それくらい金銭的な補助があってしかるべきと思う。

同じく、病弱な老人を抱える家庭にしても、こちらは金銭的な補助というよりも、社会的にこれらの老人の世話をしてくれるシステムが必要だ。家族だけが老人の世話をしていたのでは、見も心も擦り切れてしまう。たまに見舞うから、良い顔も出来、優しく接することもできる。老人は子供とは違う。子供に対しては、明らかな上下関係が存在するから、扱いやすい。でも老人は、身体的には誰かに頼らなければならなくとも、心の中ではまだまだ自分のほうが上位にあるという気持ちがある。そんなことから、軋轢が生じてしまう。体重ひとつ比べても、子供の何倍。それを一人で抱きかかえるなんて、無理。

また身寄りのない人も、老後に不安を持たずにすむ、そんな社会が実現されるべきなのだ。そのための設備やシステムを早急に構築するべき。子が親のことを思うのは当然だけれど、実際にはいろいろな制約があって、何かを犠牲にしなければならなくなってくる。

この国に生まれて良かったという国にしなければ、人材はよそに流れていってしまう。
資本主義の時代は終わったのよ。これからは新社会主義っていうか、社会としてのマナーとルールを守った上での自由主義じゃなきゃいけないのよ。
(あ、ついでに、日本のお米は守るべき。関税をかけても、輸入米を規制して、日本の米は絶対に守るべき。食の安全保障は国家の基本よ!)
増税?! 大いにかまわないよ。絶対に安心して生まれて死んでいける社会なら、安いもんだ!

ということで、うちの両親が寝付く前に、早く何とかしてくれぇー。
(なんや、偉そうに言っても、結局そう言うことかいな。)

2008年1月8日火曜日

ニッポン、チャ、チャ、チャ

いや、このチャチャチャには意味はない。
何となく、ニッポンと書いたら、チャチャチャと続けたくなった・・・。

さて、11月から12月のはじめにかけて3週間、ひとりで日本に帰った。
11月23日が、両親の金婚式で、しかもその少し後に日本で仕事の依頼があったので、好都合だった。転んでもただではおきない、じゃないけれど、帰国するからには出稼ぎもして来よう精神である。

しかも、寸暇を惜しんで友達に会い、おいしいものを食べ、盛りだくさんで楽しさ満載の3週間だった。

関西の実家で1週間を過ごし、両親、姉妹弟とその家族、義母とすごす時間の合間に、友達に会い、買い物し、美容院に行き。その後の2週間は関東へ移動して、週末は必ず知人・友人と会い、仕事が終わってからも友達に会い・・・。大忙しだったけれど、満喫した。歓待してくれた皆さん、本当にありがとう!

金婚式には、うちの夫と娘たちを除いて、家族全員が集合したことに、両親はとても満足だったようで、母は、「人生でいちばん嬉しい日だった」と言って喜んでくれた。また、私が両親に贈った言葉に痛く感動したようで、母の年賀状には、喜びあふれる短歌が4首詠まれていた。

「金婚に孫子揃いて嬉しかり 互いに耐え来し五十年史よ」
「山あり谷ありあっという間の五十年。今後の道こそ私たちの正念場です」
「ピリオドは「ボケずにぽっくり」を合言葉。仲良く暮らせと子等のたまいぬ」
「勿論、誰もが望むことですが、何事も神様仏様の思し召しのままに・・・」

私が贈った言葉は、もちろん「ボケずにポックリ」。
母が私のコピーを無断で年賀状に転用していたが、これは私のコピーやからねっ!
これに「速やかに」を足せば、もっと社会に広く受け入れられるコピーになるのではないだろうか。
「ボケずに、ポックリ 速やかに」
う~ん、語呂がいいなぁ。社会保険庁の年金対策のキャッチコピーにどうだろう。

何十年ぶりから数年ぶりに再会した友達とのおしゃべりは、この年になると必ずしも楽しい話ばかりではないけれど、それでも人生のいろんな断面で友人たちと接し、いろんな考え悩みを聞いたり話したりすることは、やはり貴重だし楽しい。

さて、今回日本に帰って、改めて思ったこと。
日本の食べ物はおいしい!

ニューヨークにはたくさんおいしいレストランがある。世界中でニューヨークが一番おいしい、ともよく言われる。確かに、日本食にしろ、中華にしろ、フランス料理にしろ、ニューヨークでは本場に劣らない、場合によっては本場以上の味が楽しめる。おすしにしても、おそらく日本で食べるよりおいしいかもしれない。

だが、それは相応の値段を払っての話。
日本の場合は、そんなにお金を出さなくても、とてもおいしいものがふんだんにある。コストパフォーマンスで行けば、絶対に日本に軍配が挙がる。
これが今回強く感じたこと。

どうやら、今、日本で、自然食材の料理のバイキングがはやっているようだ。大阪と埼玉とで1回ずつ行った。どちらも同じようなシステムで、同じような料理がたくさん並んでいた。おいしかった~! 料金も大阪は梅田のターミナルビルの中で、夜だったのに、わずか1880円、埼玉はお昼だったから1500円くらいだった。同じく回転すしも、安くて新鮮でおいしかった。ウニも新鮮だったし!ウニがおいしい回転すしは、今までなかったもん。

もうひとつ、今回の感激は、日本に今、SPA、温泉、エステ、サウナ、マッサージがいっぱいあること! しかも、それほど高価でもない。無料で配っているローカル冊子に割引券がたくさんついていて、それを見て、2箇所行った。お肌もすべすべになったし、もう最高に気持ちよかった! また行きてー!

あ、先週の土曜日、友人に連れて行ってもらった、マンハッタンにある、中国の足つぼマッサージ。これが28ドルで1時間びっしり、肩と背中、腕をマッサージして、足の裏のつぼを押してくれる。いやぁ、良かった。その後に行った中華しゃぶしゃぶの店も、とってもおいしくて安かった。

なんだ、NYにもコストパフォーマンスのいいところあるじゃないっ!
(NYに遊びに来る人は、是非お連れしたいスポットです!)

2008年1月6日日曜日

フェミニズム

一昔前はウーマンリブと呼ばれたこの言葉。

今日は、フェミニズムに関する私の考えをちょっと書いてみる。

きっかけは、この前の「予備選挙」に対するMayukoさんからのコメント。コメントとして返答したら、きっと長くなる過ぎると思ったから。

確かにフェミニズム発祥の地でもあるアメリカで、未だに女性の大統領が誕生していないのは少し不思議でもある。イスラムの国、パキスタンですら女性首相がいたことも考えれば尚更。

ウーマンリブ、フェミニズム運動の先駆者たちが、これまでになし遂げた功績は大きいと思う。けれど、これからの時代のフェミニズムは、少し方向性が変わった方がいいんじゃないか。いや変わるべき、変わって欲しい。

私は、女性の敵は女性だと思っている。女性は、自分のことは棚に挙げて、同性に対して厳しくなりがち。あるいは、自分がこれだけやっているのだから、同じことを同性の他人に求めてしまう。同性に対しての思いやりに欠けるというか、採点が辛くなる。こういう傾向があると思う。

だから必ずしも女性の管理者が女性の部下に対して、良い上司とは成り得ない。女性の大統領、首相を持った経験がないので、実際に政治の舞台ではどうなのかわからないけれど、少なくともこれまで日本が輩出してきた女性の政治家で、素晴らしいと思える人はいなかった。少子化対策を担当している大臣(名前も忘れた、あのダサい服装のおばちゃん)も、女性ならではの、女性の立場にたっての手腕を発揮しているかといえば、私の目から見たおばちゃんは、根本的に問題がわかってないんじゃないの、と思ってしまう。(少子化対策の件は、また別の機会に書きたいと思う。)

で、今日は、斬新な?私のフェミニズム哲学を披露したい。

先ほども書いたように、この考えは、先人の功績によって随分と改善された現状を踏まえた上でのものであることを強調しておきたい。改善されたと言っても、まだまだ十分ではない。そこで、今後さらに満足のいく社会を実現するための提言である。

まず男と女は決して平等ではあり得ないこと。肉体的には勿論のこと、精神的にも違っている。世の中には、男の役割と女の役割が存在する。それは、社会的な仕組みがあるから存在するものではなく、人間としての、動物としての本能として、分担が存在しているということ。

つまり、女には相手の男性と子供たちの世話をしたい、しなければならないと言う気持ちが、男には外で働いて、家族を支えたい、支えなければならないという気持ちが自然に強くある。また女には守られたいという気持ちがあり、男は守りたいという気持ちがある。それに逆らって生きると、どこかしらストレスを感じるものなのである。

但し、その本能だけが満たされれば満足出来るかと言えばそうじゃない。仕事などを通して、家庭内のみならず、社会的にも認められたいという欲求もある。現在の社会のシステムでは、家庭内と社会で認知を得るには、まだまだ女性の方にハードルが高い。女性がより容易にこれを達成するにはどうすれば良いか。

それは、このような本能的役割分担を前提とした平等を達成すれば良いのだ!

つまり、女性が外で仕事をする時間は男性の5分の3でよい。残りの5分の2は、自分の家庭で、家族のために費やしてよい。しかし、この5分の2の時間も、家族、強いては社会を支えている「労働時間」であるからして、この分の社会的役割の報酬をも給与に含むのである。

つまり、100%会社で仕事をしている男性と、60%会社で仕事をしている女性は、同じ給与をもらうのだ。あるいは100%仕事をしても、60%の仕事でも同じ役職に就くことが出来る。40%分はサポートの人員をつけることを会社が保証すればいい。または、100%の仕事をする女性には、家庭を犠牲にしているストレスに対する対価として、40%増の報酬を与える。


社内では、「女性なのに」とか「女性の癖に」という言葉は禁物。代わって頻繁に使われる言葉は、「女性だから」、「女性なので」となる。

用例は、
「女性なので、有給休暇も1.4倍ですよ。」
「女性だから、無理しないでね。」
「女性なので、労わってあげましょう。」
などである。


ドアは勿論、男性社員が率先して開ける。重たい荷物は男性社員が運ぶ。椅子は引いてあげる。

こうやって、優しく労わられると、自然と「ま、お茶でも入れてあげるかな」と、「なんで、女がお茶汲みさせられるのよっ!」といった、強いられた労働としてのお茶汲みではなく、本能として、男性を労わる気分が沸いてくるのかもしれない。(その保証はないが・・・、ひょっとしてらそういう気分になる可能性もなきにしはあらず。)

これでパートの主婦の時給も上がる。パートをしている主婦の仕事は社会的にも家庭内でも軽く見られがちである。これが彼女たちのストレスをさらに高めているのではないだろうか。時給が男性より1.4倍であるのは、言ってみれば当たり前。パートに出るために、家庭の仕事を能率的にこなす努力をしたり、あるいはやらねばならないことが出来ずにいるストレスは、目に見えないながらもかなりある。それなのに、一般的には、「お前がパートで稼ぐ金なんか・・・」と、夫には見られがちなのである。

社会的弱者である女性を、社会的に平等な立場にするのではなく、社会的弱者という立場を認めてそれに対する保証を支払って、「君は弱者のままでいいのだよ」と優しく労わる。それが、ジョダコ式フェミニズムである。

異論は?

追記:
但し、この社会的弱者としてのフェミニズムの対象者は、あくまで「家族のいる」女性に対してのみ与えられる特権であるべきだ。つまり、配偶者、子供、あるいは世話をしている家族(親、兄弟など)のいる女性である。独身でお気楽な女性は、独身男性と同じく、家庭における役割はなさそうなので、その必要はないだろう。それと、男性でも、何かの事情で中心的に家族の世話をしている人は、やはりこの制度に甘んじることができるべきだ。
うん、こうすれば結婚するメリットも子供を生むメリットもあるから、少子化対策にもなるよ、猪口さん。

2008年1月4日金曜日

予備選挙

昨日、最初の予備選挙がアイオワ州で行なわれた。
これから11月の選挙まで、選挙の行く末がどうなるか追って行くのが楽しい。

ただ、アメリカの政治に興味のない夫や、そもそも時事ニュースに興味のない娘たちと、チャンネル争奪戦になってしまうのだ。夫はもっぱらTVジャパンしか見ない(NHKののど自慢ですら、一生懸命見ている・・・)、娘はしょうもないSitcom(連ドラ)、しかも、再放送で以前に何回も見たもの!しか見ないし・・・。

それにしてもオバマ氏が民主党のトップになったのは驚いた。下馬評はもっぱらヒラリーだったし、最後の方になってエドワーズ氏が追い上げ来ていて、私は内心喜んでいたのだ。だって、各氏の掲げている政策には通じていないけれど、エドワーズが一番「いい人」みたいだから。奥さんが回復する見込みのないガンと言うのも気の毒だし、最近知ったのだけれど、長男が16歳で交通事故で亡くなったそう。年の離れた子供が下に2人いると思ったら、そういう事情で48歳のときに奥さんはホルモン治療をして、また子供を生んだのだそう。そういう痛みを知っている人だから、いい大統領になるんじゃないかなぁと応援してるわけ。しかしアイオワの結果は、オバマ38%、エドワーズ30%、ヒラリー29%。

これまでずっとずっとヒラリーがリードしていただけに、しかも、白人が95%のアイオワ州だけに、オバマ氏が両氏を引き離してトップだったのには、全米が驚いている。

正直言って彼に対して、果たして大統領の器なんだろうかと、懐疑的なだけに、あまり応援していなかった。組織の指導者としての経験も、国際的な経験もないし。

でも、昨日の結果を見て、彼が実際に大統領になるところを想像して、ふと思った。

確かに彼が言っているように、彼には一番アメリカが「変化」する可能性は秘めている。さらに悪くなる場合も大いにあるけれど、ひょっとしら画期的な変化かもしれない。勿論、鳴り物入りで登場した割には肩透かしという、とんでもないホワイトエレファント(ブラックエレファントかな?)の可能性は有るけれど。

クリントン氏にしても、ヒラリー氏にしても、既成のシステムの枠は超えられそうもないし、政界や財界との繋がりが、多分まだそれほどなさそうなオバマ氏というのも、吉と出るか凶と出るか、全く読めないだけに、面白いかもしれない。名実ともにダークホース。

だいたい、どうせ、私はアメリカ国民じゃないんだから、結果が最悪であったとしても、そう気にすることはないのだ! お正月の福袋を期待して開けるような、そんな気持ちで、オバマ氏の当選を期待すればいいんだ、という気になってきた。

勿論まだ民主党が政権を取るって決まったわけじゃない。独立派の候補者が出るという噂(ブルームバーグNY市長?)も消えていないし、共和党が勝つ可能性もある。(ハッカビーは絶対に嫌だ! 嫌いなジュリアーニが苦戦していて嬉しい。ロン・ポール氏のインタビューを聞いて、彼の考えに共鳴したけれど、残念ながらこの人に勝算はない。アイオワでは共和党の中で一番、独立派の票を集めていたけれどね。)

それにしても、マイケルでもジョーンでもデイビッドでもない、「バラク」なんてファーストネームのアメリカ大統領が登場するなんて面白い。彼もいわゆる普通のアフリカ系アメリカ人じゃなくて、お父さんは生粋のアフリカ人、お母さんは白人という出自だから、白人の支持者が多いんじゃないかと想像している。

来週火曜日は、ニューハンプシャー州での予備選挙。同じく白人が大半の州で、独立派が4割を占める。この独立派の人たちの票がどのような流れるかが、選挙の行方を左右するらしい。
どうなるのか楽しみだ!

近況アップデート

おお、11月23日から放ったらかしになっていた。

楽しかった日本でのお話は、またの機会に書くとして、最近の出来事を書くことにしよう。

12月8日にアメリカに戻り、3日後には長女キニコが冬休みで、帰宅。キニコを学校へ迎えに行った帰りの車では、時差ぼけで睡魔が襲う中、母を気遣うこともなく漠睡するキニコを横目に、メタボで関取のようなお腹に、気合を入れるために、同じく関取のごとくパチパチっとたたきたいところ、洋服が邪魔をしていい音もしないし。仕方なく、ほっぺたを自分の平手でパチパチっとやりながら、何とか目を開けて運転することに成功。

時差ぼけ、時差ぼけ、と昼寝をしているうちに、あれよあれよと年末年始。気がついたらお正月も終わって、今日から、昼間は優雅な独りという、日常に戻った。

まず、ED(変な想像しないでね。Early Decision、つまり早期に合否が出る受験システム)でキニコが願書を出していた第一志望のジョーンズホプキンズ大学からは、悲しいかなDeferred(合否結果の延期)というお返事が来ました。不合格ではなかったものの、今回は結果が出ず、一般受験者と同じプールに入れられて、4月に結果が出るというもの。早い話、青田刈りするほど欲しい生徒ではないってことで、4月の結果も望み薄でしょう。たとえ合格したとしても、奨学金など望めるはずもないしね。

ここに至って、ほーんとに心の底から、どっこでもいいから、一番学費の安いところに行って欲しいと思っている。コネチカット州立大学だって、州内に住んでいるからってみんながみんな行けるわけでもないんだし、お願いだからここにして!と言ってるのだけれど、今のところ本人は行く気なし。もちろん願書は出している。あ~あ、頭っからアメリカの大学しか念頭に置いてこなかったことを、今更ながらに悔やまれる。ここまで学費が高くなるとは、誰が想像したでしょう。ニュースでも5年前の50%増しだと言っていた。10前から確実に10000ドル上がっているし、20年前からだと3倍だよ。

この年末年始は、先立つものを考えて、どこにも行かず、まさに寝クリスマスの寝正月。朝から晩まで一家でパジャマで過ごした日もあったかも。私は確実にあった。夫はお買い物に行ったり、クリーニング行ったり、洗車したり、お出かけしてたから、一日に1回は着替えていたかも。(自宅にいるときは、2人ともパジャマです。あ、よそ様のパジャマと違って、我家は既製品のパジャマじゃないから、一見したパジャマとはわからない・・・はず?!)

30日はNJのミツワ(旧ヤオハン)へお正月の買出しに。1時間ちょっとで着くはずが、1時過ぎに家を出たのに、着いたら5時だった・・・。渋滞じゃおまへん。事故。ジョージワシントンブリッジに向うブロンクス・エクスプレスは、いつも渋滞しているのだけど、この日は結構流れていた。と思ったら、ちょっと上り坂のところを上がったところで停滞。夫が運転するオデッセはちゃんと停止。どきっとして後ろを振り向いたら、後続の車も停止。ほっとして、缶入りDiet Pepsiを口元に運ぶ夫。一口飲もうとしたその時、ドーン!と音がした。やった!と思ったら、続いて、ゴン。

玉突き。一番後ろのカムリ?が止まりきれずに(行き先の表示に気を取られていたらしい)後続のトヨタAvalonに突っ込み、家の車が押されて、前のスバルにぶつかった。隣を見ると、見事に頭からコーラを被った「コーラもしたたるいい男」の夫が(コケにしているばかりじゃなく、たまには夫のことも褒めとかなくちゃね)、超憤慨している。ダッシュボードも、足元も、コーラが飛び散りまくり。

車を降りて見たら、スバルの被害は、白いバンパーにオデッセのナンバープレートが転写されているだけ。我家のオデッセは、昨年、替えたばっかりのバンパーが見事に大破。(だから、替えないであのままにしておけばよかったんだよ・・・。)後ろのAvalonはボンネットが開いて変形しているけれど、前も後ろのバンパーも、少し凹んでペイントが傷ついているくらい。4台目のカムリ?は、前はぐしゃぐしゃ、車の下からパワステ溶液が流れ出し、ボンネットからは煙が。

とりあえず、路肩に車を寄せ、警察に電話をし、互いの連絡所などを交換。一番前のスバルは、もともとバンパーも凹んでいたようだし、古い車だし、実害はないので、警察を待たず行ってしまった。このあと、警察を待つこと1時間あまり。待てど暮らせど来ないから、私も2回、みんなで合わせて4回も911してしまったよ。

保険の見積もりでは、どうやら2000ドル余りかかるらしい。4台目の保険から回収するらしいけれど、トータルで1000ドル以上になると、来年からの保険料があがるのら・・・。

天使のように心の清い我家。どうやらお札にも羽が生えているようだ。

5時に着いたミツワでは、おせち料理の品々がたくさん売り切れ。栗きんとんのための栗の甘露煮でさえ売り切れ。これだけは何としてでも作らなきゃ。唯一韓国製の缶詰の栗だけあったので、それをゲット。黒豆もないし(もちろん既に出来合いのもの)、昆布巻きもないし。お陰で最小限のおせちで済んだから、きれいに2日でなくなった! (これを延々と毎日食べるのが苦痛なのよね。)

2日からはシナコは学校、3日には夫が会社。そしてその夜キニコが寮に戻り、4日の今日から晴れて私はグウタラ主婦に復帰することができました。

めでたし、めでたし。