2009年3月18日水曜日

サルバドール (2)

サルバドールの朝は遅い。
(懐かしのネスカフェのCMのパロディーと誰が気が付いてくれるだろう・・・)

まあ自分たちがいつまでも寝ていただけなのですが。9時ごろ一応目は覚めるものの、もうちょっと・・・と思って気がつくと、10時とか11時。

それから朝食。
「手伝おうか?」と、その気がない癖に、一応チカエに声をかける。
「いいよ、いいよ、座ってて」と言われ、「そう、悪いねぇ」と全く済まなさそうに聞こえないセリフを吐く。このやり取りを毎朝繰り返していた。

朝食のメニューは、たいていがオレンジジュース、マンゴ、フルーツにヨーグルトかシリアル、またはその両方をかけたもの、パンと紅茶。

「こんなんでごめんね」とチカエ。
毎日自宅で食べている朝食よりよっぽど豪勢なんですけど。

ブラジルで苦労したのは、オレンジジュースとパン。
スーパーに行っても、普通のオレンジジュースが売ってないのだ。パック入りのオレンジジュースは飲まないのだろうか?? 求めていたのはトロピカーナのような100%ものなのだが、何故か買ったものは、ちょっと水で薄めたような人工的な味のするヤツ、次は何故か豆乳入りだった。(後でパックを見たら、確かにソヤ(大豆)と書いてあった。これは、懐かしのフルーツ牛乳の味がした・・・。)

日本語の語源のパンがポルトガル語のパンなのは周知の話。なのにブラジルのパンはまずいのよ。何ででしょう。滅多においしいパンに当たらなかった。どれも、ぽそぽそしている。小麦粉が悪いのか。

日本でも有名なポンデケージョ(ポン=パン、ケージョ=チーズ)。生協の共同購入にもありました。もちもちしておいしかった。なのに、スーパーで買ったポンデケージョはイマサンだった。空港のコーヒースタンドで買ったものはおいしかったけど。

そう言えば、サウジ時代、フランス人は「サウジの小麦粉ではおいしいものが作れない!」と言って、わざわざフランスから輸入された小麦粉を買っていた。小麦粉説は、大いに説得力あり。

朝食が終わる頃には、たいてい12時を回っている。これから出発のための身づくろいが始まる。準備が整うのはたいてい2時ごろ。

マビオさんの毎日の日課は、「今日のランチをどこで食べるか」を詳しく調べること。ブラジルの旅行書(2冊)を隅々まで読み、更にインターネットで調べた結果、「今日のランチは、XXにある○○に行く事にしよう。ここは・・・」と、そのレストランがどのように傑出しているか説明してくれる。あるいは、「今日は、△△か□□に行く事にしたいが、どちらがいいか」と私たちに意見を求める。

ここだけの話だが、どっちもブラジル料理だし、私もイマイチどっちがいいか判らないのだが、ここは意見を述べるべしとばかり、「そうですねぇ、昨日はアレを食べたので、今日は是非コレを食べたい」と厳かに己の意思を表示する。「では、△△に決まりだ」と、レストランに予約を入れてくれる。言葉が通じれば晴れて予約成立。予約は3時とか3時半。この時間に昼食である。

直接レストランに行くこともあれば、少し広場のあたりをうろうろしてからのことも。ルートは大抵はマビオさんが決めてくれる。「XX美術館があるので、そこに寄ってから行こう」「XX画廊を覗いてから」「アメリカ人が経営しているレコードショップに寄ってから」など。レストランのあとは、マビオさんだけ先に帰ってお昼寝し、私たちで広場をうろうろすることもあった。ランチが遅いため、たいてい夜はお腹が空かないので、バーで何かをつまんで飲む程度。はたまた家に帰って、紅茶とパンとオムレツ、とか。

さて、ブラジル料理だけど、私は非常に気に入った。そもそもアメリカの南部料理は好きだし、ニューオーリンズのケイジャン料理やクレオール料理も大好き。ブラジルの料理はこれらに似通ったものが多く、大抵は煮込み料理。海産物も豊富で、海老、蛸、牡蠣、魚などの料理がメニューに並んでいる。

何日も食べていると、料理の名前は違うのに、どれも似通っていることにも気が付く。色もたいてい黄色。この色は、どうやら椰子油(パーム油)から来ているらしい。多くの料理に椰子油が使われているのだ。

サルバドールのあるバイーア地方の料理として、特に知られるモケカはまさにパーム油たっぷり。

写真は同じくバイーア地方の料理、ボボ。はっきり言って、モケカもボボも違いがようわからん。言ってみれば、インドのカレーとコルマとマサラの違いみたいなものか。違いはあるけど、寿司とラーメンほどの違いはない・・・。それともガイジンにとっては、寿司とラーメンも、違いがわからぬのか?

ブラジルの国民食と言われているのがフェイジョアーダ。こちらはアメリカの南部料理にも見られる黒豆と肉を煮込んだ料理。おいしかった!

シュラスコ(バーベキュー)はあまり興味がなかったので、候補に挙がったときにも却下したのだが、肉好きのコイオは「あれがウマイのに~」と言っていた。前にアメリカで食べたことあるけど、あまり感激しなかったんだもん。

この辺りのレストランのサービスで嬉しいのが、ビールを注文すると必ず冷えたビールがぬるくならぬような工夫が凝らされていること。バーだと、ビール瓶が発泡スチロールなどのスリーブに入っているし、レストランだと、まるで白ワインのごとく、氷の入ったバケツに入っている。ま、お店に冷房が入ってない場合が多いし、入っていても効いてないから、直ぐに生ぬるくなるわけですが。

Cubanaと言う名のアイスクリーム屋があったのだが、ここのアイスクリームがおいしかった。最初はメニューを解明するのが大変で、マンゴと思って頼んだマビオさんが受け取ったのは、トロピカルフルーツの一種だった。チカエはスペイン語と同じだから解読できたパイナップル。私は安全パイのココ(ココナツだとわかった)。

このココナツが大ヒットだった。その後もココナツを目指して足繁くこの店に通った。グリーンコーンってのもあって、これもなかなか美味だった。濃さは丁度イタリアのジェラートのような、さっぱりとした口当たり。しかも安い! 座って食べて、ひとつ2.7レアル。100円ちょっとだよ。

エネルギーの殆どは「食」に向けられ、残りはお土産ショッピングにあてがわれたのでありました。アクセサリー、ゴムゾウリ(チカエはビーサンと主張したが。ネットで調べたら、「ハワイアナス」は国際的ブランドらしい http://www.havaianas.jp/index2.html)、しわしわドレス、Tシャツなど。

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