皆様から寄せられたコメントを少し取り上げてみましょう。
- そういう半分に切ってつなげた車は、「ニコイチ」って言うねん。
- 私もドライブウェイをバックして、積み上げた雪の山に泥よけが当たり、泥よけが取り付けられたバンパーが破損。泥よけをぶつけただけで、バンパー全体を交換なんて、どんな設計をしているのか!
- バックセンサーは車の後部の死角部分の障害物を見つけるためのもの。相手がトラックなら、そんなものなくたって・・・。後ろを見ないでバックするような人のことまで考えて設計できないよ。
- (フランス人の乾杯に関して)それなら、君も新たな犠牲者みつけて、乾杯すればよかったのに。
- 運転しないほうがいいんじゃないか、と思ったのは私だけでしょうか・・・??
- 非常に男勝りと思っていましたが、過去の失敗談を知り、普通の女性であったと言う事を痛感しました。
など、など。
では、その4をお届けします。今回は「専業主婦」ということにスポットライトを当ててみました。
アメリカに来て、専業主婦となり早9ヶ月。最近、富に感じるのは、「専業主婦って、なーんて報われない職業なんだろう」ってこと。
先日、藤棚の腐った枝やツタを全部取り払った。踏み台に乗って見上げて作業すること3時間。取り除いた枝は、ゴミ箱に入るように細かく折らねばならない。そしてたっぷり大型のゴミ箱2杯分。ずっと上向きの作業で、顔から頭から埃を被り、翌日は筋肉痛。その日は、前庭、裏庭のタンポポの撲滅に奮闘すること3時間半。昼食も忘れ、もくもくと働いた。翌日、またあちこちにタンポポが。何とか引っこ抜き、その後、来る日も来る日もタンポポと格闘。こんなにすっきりさせているのに、だーれも何も言っちゃあくれない。料理をしてもあたりまえ。掃除をしてもあたりまえ。出来てない時だけ文句を言われる。
勤めていたときは、ちょっと早く作業ができたり、上手にこなしたときは、「助かります、ありがとう」とか、「今日もすばらしい出来だったね」とか、大げさに褒められて感謝される。おまけにお金までもらえるのだ。
世の夫諸君、ちゃんと奥様に感謝していますか? 例えお給金が出なくとも、「ありがとう」の一言で、どれだけ報われた気持ちになり、明日への活力に繋がるか。しっかり肝に銘じて、奥様をねぎらって欲しいと思う今日この頃です。
と言うことで、私の「典型的な主婦の一週間」をご紹介することで、皆様の専業主婦に対するご理解を深めて頂きたいと思います。
月曜日
午前6時に目覚ましが鳴る。ベッドを出て、娘の部屋のドアを開け、「6時だよ、起きなさい! 起きないと知らないよ。ママはまた寝るからね」と声をかける。再びベッドに戻る。
6時15分。再びベッドから出て、「起きなさい!」と声をかける。「わかった!うるさい!」と、娘の感謝の声。その声を子守唄に、再びベッドへ。
6時半。ベッドから、「シナコ、6時半だよ!」と叫ぶ。 「知ってる!」と洗面所から声。ああ、起きていると安心し、再び眠る。
6時40分。夫がベッドから出る。それを合図に、5分遅れて私もベッドを離れ、居間のソファーへ場所替え。テレビをつけ、横になる。6時46分。「シナコ、あと2分!」と優しい怒鳴り声をかける。
6時48分。娘がシリアルバーを手に、走って玄関を出る。「いってらっしゃーい!」と叫ぶ私の声が居間にこだまする。自分の声に元気付けられて起き上がり、主寝室の夫の様子を見に行く。夫は朝の支度を終え、自分でベッドメークしたベッドに腰かけて靴下を履いている。「じゃ、コーヒーを入れるね。」台所へ戻る私。朝の大仕事、朝食の準備に取り掛かる。コーヒーを入れトーストを焼く。
7時。コーヒーとパンの用意が整った頃、夫が食卓へ。TVジャパンで日本のニュースを見ながら、「今日は接待で遅くなるから夕食は要らないからね」と言う。朝食を終え、空になったマグとお皿を台所に下げ、洗う、夫。
7時26分。夫が出かける。私はつきっぱなしのTVをBGMに再び心地よい眠りに落ちる。
9時か10時ごろ。これ以上眠っていてはいけない。主婦は忙しいのだ、と日ごろの疲労がたまった身体に鞭打ち、コンピュータの前に陣取る。友人知人からのメールにさっと目を通し、返事を送る。コネチカット通信もちょっと書いてみる。コンピュータは切らないで、読みかけの推理小説を手に取る。面白い。横になって続きを読む。やたらと犬がクンクンうるさい。あ、おしっこに庭に出してあげるのを忘れていた。餌もまだだった。愛情を込めて、犬の世話をする。
2時。横になって本を読んでいたと思ったら、いつの間にか本が床に。家の中を見渡す。今日は特にすることもない。一週間のうちこんな日が一日くらいあってもいいだろう、と、床にあった本を拾い上げ、続きを読む。
3時。ちょっと肩が凝ってきた。伸びをしてから、コンピュータをチェックすると、メールがまた数通入っている。なんだ、ジャンクメールだ。削除。生きているのか死んでいるのか音沙汰のない長女キニコにメールを出す。
4時過ぎ。今日のシナコのお迎えは、お友達のお母さんの日。クラブ活動後のお迎えがない日は心からリラックスできる。
5時。シナコが学校から帰宅。「ピアノの前に、犬の散歩に行ってあげなさいよ。」と声をかける。子供の躾も忘れない。
6時。ピアノの先生が到着。「今日は、出かけることがありませんでしたので、パジャマで失礼します」と先生にご挨拶。「まあ、優雅でよろしいわね」と、先生の嫌味のない羨望のお言葉。ピアノのレッスン中、カレーを作る。
7時過ぎ。夕食。一日一所懸命働いた自分への労いに、ビールを一本つける。
9時。お風呂に入り、きれいなパジャマに着替える。「シナコ、早くお風呂に入って寝なさい。ママはもう寝るからね。」と愛情のこもった声をかけ、ベッドに入り熟睡。
深夜。夫が帰宅し、流しに残っている夕食のカレーの器などに気付き、洗う。また麦茶が減っているのを確認し、新たに水出しの麦茶を作って冷蔵庫へ。明日からの2泊3日の出張の用意を自分で整えて、夫も就寝。月曜日が幕を閉じる。
火曜日
いつもと同じ朝。
昼、着替えて化粧もする。たまったワイシャツをクリーニング屋へ。交換に先週出したワイシャツを受け取る。夫の身だしなみに気を配るのも妻の務めだ。
夕刻、今日は私がシナコを学校に迎えに行く当番。今夜から木曜の夜まで夫は出張で不在だ。夕食は、昨日のカレーを温める。今日も一日の疲れを癒すため、ビールを一本。いつもと同じ夜。キニコからの返信なし。
水曜日
いつもと同じ朝。しかし夫が不在なので私がベッドメークをするしかない。
いつもと同じ昼。
晩御飯のメニューはカレー。シナコの帰宅後、「今夜はカレーだよ」と言うと、「カレーはもう嫌だ!」と、だだをこねる。自分でも3日連続は辛いが、今日食べきればなくなる。2人でカレーを囲んだ和やかなディナー。今日は、ビールは休肝日にしよう。グラスに赤ワインを注ぐ。いつもと同じ夜。相変わらずキニコからは返信なし。
木曜
いつもと同じ朝。洗濯かごの蓋を開けて中を覗く。夫の分がないので、洗うにはちょっと量が少ない。蓋を閉じる。家の中を見渡す。掃除機は・・・まだ、2日は持ちそうだ。
今日はマンハッタンでお友達夫婦とランチの約束。12時半にイタリアンレストランで待ち合わせ。カウンターに腰掛けて、ワイン片手にルッコラのサラダ、アーティチョーク、この季節にしか出回らないランプというネギの一種が乗ったピッツァなどをつつきながら、おしゃべり。デザートにはオリーブオイルのジェラート。これが本当に美味! 1時間半後、ご主人は「じゃ、僕はお先に」と帰る。それまで頑張って英語で会話していた私たちだが、「あ~これで関西弁で思いっきりしゃべれるわぁ~。」カプチーノ1杯でぺちゃくちゃ。ぺちゃくちゃ。バーテンのフランクが、いつのものことと思いつつも、半分本気で嫌な視線を投げる。ぺちゃくちゃ。時計を見る。5時半。「あかん、もう帰らな。」後ろ髪を引かれる思いで、店を出る。地下鉄と電車でコネチカットへ戻る。
帰宅後。「ママは、今日は全然お腹空いてないんだよね。シリアル晩御飯でいい?」「え~、まったぁ。いやだよー。」と、忙しい母を思いやって、シナコは快諾。
今日もキニコからは音沙汰なし。夫は、飛行機が延着で、夜中の2時に帰宅。ドアが開き、犬が嬉しそうに彼を出迎える気配に、私は時計だけ確認して再び夢の世界に。夫はスーツケースの中身を空にして、シャワーを浴びて就寝。
金曜
「今日は早朝の会議がある」と、いつもより一本速い電車で、夫が出かける。それでもベッドメークは忘れない。
11時。夫の洗濯物がたくさん入り、洗濯かごの蓋が少し浮いているのに気付く。蓋を開け、中身をぎゅっと押し込む。蓋が閉まる。
いつもと同じ昼と夕方。シナコに、「今夜のごはんは・・・」と話しかけると、「カレーもシリアルも絶対に嫌だ!」と発言。ああ、一人前の意見を言うようになったものだ、と、娘の成長に目を細める。「大丈夫、カレーはもうなくなったから。ご飯が余っているので、チャーハンにしよう。」 腕によりをかけたチャーハンにシナコは舌鼓を打つ。チャーハンにビールは合う。夫は、今夜も出張者と外食のはず。
9時過ぎ。「出張者との夕食がキャンセルになった。今から帰る」とメールが入る。慌てる。かつかつお茶碗一杯のご飯がある。冷蔵庫を覗くと瓶詰めの鮭フレークもある。
10時過ぎ。夫が帰宅。手際よく、電子レンジでチンしたごはんと鮭フレークを食卓に並べる。サービスでインスタント味噌汁もつける。食後、自分のお皿と、私たちのチャーハンの器を洗う夫。夜遅くまでTVジャパンを見て楽しむ。
土曜日
長かった1週間の疲れを取るために、犬を含む家族全員が昼過ぎまで寝ている。
昼過ぎ、シナコはコーンフレークを食べる。私たちは、今日は夫が用意したコーヒーとトーストだ。だらだらテレビを見る。ふと気がつくと、夫は洗濯かごに一杯になった洗濯物を地下に運び、洗濯を始める。「濃色と淡色はちゃんと分けてね」と、ソファーに寝そべりながらも、主婦らしい助言を忘れない。
夕刻、空っぽの冷蔵庫を覗きながら、「おい、買い物に行かなくていいの?」と夫が尋ねる。「行かないとだめ」と私。「1人で買い物行くの嫌いだから、ついて来て。」 夫婦仲良く、近くのスーパーに出かける。
帰宅後、私が忙しくスーパーで買ったものを仕舞っている間、夫は洗濯物をたたんで片付ける。たまに夫に手伝ってもらうのも悪くない。あ、そういえば、掃除機をかけたい気分。「掃除機をかけたいんだけど・・・腰が痛いんだよね。アメリカの掃除機は重くってさ。」 夫、掃除機をかける。
夜。一週間毎日ずっとお料理をしてきたのだから、今日ぐらい手を抜くのもいいだろう、と、ピッツァのデリバリーを頼む。ピッツァを食べながら娘が、「ママ、今日の晩ご飯は何?」と聞く。「これじゃん」と私。「え、朝ごはんがコーンフレークだったから、これはランチだよ。だってこれが2回目のごはんだもん。」 朝食、昼食、夕食というのは、食べた時間に基づくもので、一日のうちの、最初のごはん、二度目のご飯、三度目のご飯という意味ではない、と娘を諭す。まだ納得していないので、「この後、アイスクリームを食べて、それを晩御飯と思えば」と提言する。
今日、日本食品店で借りてきた日本のドラマのビデオを見て、土曜日が幕れてゆく。
日曜日
同じく遅くまで寝ている。夫は先に起きて、給油と洗車に行く。
だらだらしているうちに、夕方になる。
一週間あくせく働いた妻をねぎらい、今夜は外食だ。近くの中華料理店へ足を運ぶ。
帰宅後、「明日はごみの日だよ」と優しく告げる私。家中のごみを集めて、ごみの容器を外に出し、空になったゴミ箱に新しい袋を入れるのも忘れない夫。
夜、明日からの出張に備えて、夫は荷造りをしている。私はベッドに横になり、本を読みながら、明日からの長い長い主婦の一週間に思いを馳せる。相変わらず音信普通のキニコ。便りのないのは良い便りと、安らかな眠りに就く。
注記: 上記の事柄は全て事実に基づいておりますが、面白おかしくするために、頻発しない事柄も全て一週間に凝縮して描きました。ですから、これが実際の1週間の様子を再現したと、誤解なきようお願いします。つまり、実際には、私がメモを渡して、夫がひとりで買い物に行くこともあります。
・・・うむ。おっかしいなぁ。超多忙を極めている主婦だったはずなのに・・・。これじゃぁ、世の主婦像をゆがめて伝達してるじゃないの。お友達よ、ごめんなさい。でも、ま、これで日頃の我家の様子はわかってもらえましたでしょ。
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