あと少しで引越しと思うと、だんだんこの家にも未練が出てくる。
ゲジゲジの館の地下室や、レンガ敷きで、くもの巣が至るところにすぐできるファミリールームとおさらばできるのは嬉しいけれど、春になると次々と花をつける表と裏庭の木々を来年は見られないと思うと寂しい。
これまで植物なんか全然興味はなかった。オハイオ時代のコンドミニアム時代(と言うと小洒落た響きだが、何のことはない洋風長屋だ)、ネコの額より狭いねずみの額ほどの中庭があり、中央には人工芝が敷いてあったが、塀に沿っての少しの部分が土だった。その少しの部分を、ジョダと分かち合って、半分はジョダのトイレ、残りを私の花壇とし、ペチュニアやインパシャンスを植えた。
周りの人々が花を植えて綺麗にしているから、半ば義務感から始めたものの、育ててみると案外可愛いかった。チェリートマトは次々と、余りにたくさん実を付けるものだから、食べないままに腐って行ったっけ。ジョダの有機肥やしで育っていると思うと、食欲をそそらぬと言うことでもあったのだが。
そして今年も、この家の付加価値を上げて大家さんから感謝され、できるだけたくさん敷金を返してもらおうと、ペチュニアを植え、他にもいくつかの花を買ってきて、裏庭と表に投資した。
ペチュニアは、少し花が出てきたところで、全て頭をちょん切ってやると、横に広がって行く・・・とオハイオの補習校で、春の花植えのお手伝いをした時に教わった。そこで少し花がついたところで、ちょんちょんと花を切って行った。
ところが、いつまで経っても殆ど花がつかない。なかなか暖かくならなかったから、お天気のせいかな・・・と思っていたのだが、先日、間近で見てみると、花が弁のところまで食べられてなくなっていることに気づいた。
実は我が家の庭にはウサギが2匹住んでいる。大きいのと小さいコットンテール(茶色で尻尾が白い)で、おそらく母子。小さいのは15センチくらいの大きさ。植え込みの中に巣があるのか、中でがさごそ音がしているし、しょっちゅう芝生にも出てきている。1メートルくらいまで近づいても逃げない。
今日も郵便を取りに出ると、ポストの下の植え込みの中から、チビが飛び出して行った。丁度お向かいの小学生の男の子たちが下校してきたところだった。
「ここにウサギが住んでるの知ってる?」
「うん、知ってるよ。家の花をみんな食べちゃったもん。」
「やっぱり。うちのだけじゃなかったんだ。」
「レタスを植えてるんだけれど、それもやられちゃった。」
「はは~ん。最近になってようやくうちの花が育ち始めたと思ったら、もっといいものを見つけたんだ。」
ここ2-3日、ヒートウェーブで猛暑となり、今日も気温は99度(37度!)。信じられない暑さ。(もったいないけれど、昼間からエアコンかけてます。)おまけに、2日前は夜中に嵐で、翌朝は学校の始業は1時間遅れ。嵐で木がたくさん折れて、通行が妨害されたため。太陽と雨がたくさんで、裏庭の雑草も思いっきり元気よく伸びたし(もう新しい入居者が決まったから、庭の手入れは怠慢しよう・・・)、それでペチュニアもたくさん咲き出したのかと思ったけど、どうやらウサギちゃんたち、もっと美味しいものを見つけたらしい。
子供のウサギ。コットンテールだし、ピーターって呼ぼう。
0 件のコメント:
コメントを投稿