2009年6月29日月曜日

飛行機でお隣だった子

ミューヨークからフロリダへ戻る飛行機で、隣の席になった女の子。フロリダ出身のジャマイカ系で、イェール大学に学校訪問に行っていたそうな。自主的な学校訪問ではなく、大学から招待を受けてのカンファレンスという形式の学校訪問だって。シナコと同い年で、9月から12年生。選抜の学生ばかりの公立のマグネットスクールに通っている。

「ほかにどんな大学を考えているの?」と興味津々のわたし。
「一番は、エモリー。アトランタだから一番近いし。コロンバスとプリンストンも考えている。ポモナは遠いので、母がそれはちょっと無理じゃないと言うの」
どれも優秀な大学ばかり。

さらに彼女が付け加える。
「でも、どこの大学に行くかが重要じゃなくて、何を勉強したいかだと思う」

「何を勉強したいの?」
「憲法学」
「???」
「中学で憲法を習ってから、憲法に魅せられてしまったの。はっきりと明確に定義されている一方で、解釈には幅があって。すごいと思う。将来は何になるかわからないけど。今は判事になりたいかな」

一通りいろんなおしゃべりのあと、わたしが本を読み出すと、彼女はニューヨークタイムズを読みはじめた。しばらくすると、黄色い色鉛筆を取り出して、ある記事の一部をハイライトしている。
「ディベートの資料に必要そうだから」

これでシナコと同い年? キニコより全然しっかりしてる・・・。

飛行機はフロリダに向けて夕刻飛び立ったので、上手く行けば窓から日没が見えるはず、と、その子にも話して、ニューヨークを飛び立ってから2人でずっと窓の外をちらちらと眺めていた。着陸直前になって、日が沈み始めた。

「フロリダは空が広いよね。日本じゃこんなに広い空は見えないんだよ、ビルが一杯で。それに、ここではしょっちゅう二重の虹が見えるでしょ? わたしは生まれて初めてフロリダで二重の虹を見たよ」

「そうなの? わたしたちは当たり前だと思っていたけど、そうなんだ」

「そうだよ。それと、あの2重の虹の色が、一つ目と二つ目で色の配列が逆になっているって知ってた?」

「え、知らなかった? そうなの? 今度しっかり見てみる!」

ははは。にわか知識ながら、この才媛少女を感心させられて、ちょっと嬉しい気分。

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