2008年5月19日月曜日

引っ越します!

にわかに忙しくなった理由のひとつはコレ。

3週間前、突如思い立った。引越ししよう!
当初、夫は乗り気でなかった。なんと言っても駅まで徒歩2分という通勤の便は譲りがたいものがあったようだ。

でも1か月3900ドルという家賃がもったいないと思ったのだ。

「サンゼンキュウヒャク?!」 家賃を聞いて驚いた人は少なくないと思う。でもこの数字は、ニューヨーク近郊に勤める日本人駐在員で、我が家と同じような家族構成の人が支払う平均的な額なのである。信じられないけれど本当なのだ。金融関係の仕事をする外国人駐在員の場合は、もっともっと高いところに住んでいんじゃないかと想像する。

この家は、私たちが赴任する前に、夫が2ヶ月近く、週末の度に、合わせて50軒くらいの家を回ってようやく見つけた家だった。「3,000ドルくらいまでで見つけて」とお願いしていたけれど、「そんなものない。犬がいるからアパートはダメだし。」 レベルの高い公立高校がある理由で、希望していたニューヨーク州のウェストチェスター郡スカースデールでは、とうとうめぼしい物件は見つからず、更に20分通勤時間が長くなるグリニッチまで範囲を広げて、ようやく妥協できる物件として見つけたのがここだった。

そう言う苦労があったのを知っていたから、この家賃にも、家にも文句は言えなかった。(あ、嘘。ゲジゲジが出たときは、散々文句を言った! だいたい3900ドルも払うのに、お掃除が行き届いていなかったし。)

住めば都で、ゲジゲジにはすっかり慣れ、「あら、また!」 ぱっとティッシュでつまんで、ポイと捨てられるまでになった。アイツ等は弱たんで、動きも鈍いし、全然怖くないことがわかったから。

そんな訳で、仕方なくこれまでは、この金額を泣く泣く払って来た。でもこれがローンの金額で、苦しくても後々自分のものになるのだ、と言うのなら話は別だが、このお金は賃料で、後にはな~んにも残らないのである。

アメリカに駐在するなら、広くて大きな家に住むことを夢見る人は多いだろうし、日本では味わえない暮らしを満喫したいと思うのも当然かもしれない。夫も、おそらく家族に駐在でしか味わえない一軒家暮らしの醍醐味を味わわせてやろうと思ったのかもしれない。その気持ちには感謝するけれど、やっぱ、もったいない。

キニコの学費がべらぼうに高いことが判明した今、何とかしてお金をセーブする必要がある。食費を切り詰めても、欲しいものを買わないで我慢しても知れている。一番簡単に大幅に支出を抑えることができるのは、もっと家賃の安いところに引っ越すことである。

会社によって、家賃の支払形態は異なる。家賃に上限があり、そこまでの金額を会社が全額負担してくれる場合。夫の会社の場合は、家賃を考慮した給与の額になっており、安く上げればその分可処分所得は増えるし、高ければ生活は逼迫する。家にどれだけお金をかけるかは個人の問題。


思い立ったら吉日の私。早速物件探しを始めた。今日日はインターネットで簡単に調べられるのだ。調べてみると、意外にも3,000ドルちょっとあたりでめぼしい物件が続々あった。すぐに気になる物件については問い合わせをした。

ただ、当初見たサイトは何年も前からの情報が全て一緒くたになっていた。また他のサイトでも、インターネットに掲載されている物件はたいてい少し古い情報で、問い合わせると、「既に決まりました」というものばかり。でも、その際に、こういう条件で探していますと不動産屋にお願いすると、その日のうちに、「こんなものがありますがご覧になられますか」と連絡が来た。

それから1週間、一人で何軒か見に行き、週末は夫とシナコも一緒に見学に行った。シナコは、やはり我が家を「ボロイ」と思っていたので、引越しのアイデアには賛成だった。

3,000ドルと言う予算では、ほぼ一軒家は望めない。あっても、殆どが住みたくないような代物。必然的に、見た家の殆どがデュプレックスという二個一になった家や、一見、一軒家風だが、2階は別の人が住んでいるとか(出入り口は別)、あるいはコンドと呼ばれる集合住宅。2ベッドルームもオプションに加えたし、ガレージなしもOKとした。

2年前の家探しの時、ガレージは必需品だと思っていた。念頭にはオハイオの冬の寒さがあったから。ほぼ同じ緯度に位置するコネチカットも、冬は厳しいと思っていた。実際、キニコの学校がある辺りは雪深く、気候はオハイオと変わらない。

ところが同じコネチカットでも海に面するこのあたりは全く違っていた。目の前の海はロングアイランドサウンドと言い、ちょうど入り江になっている。海流がなく、恐らく浅い。コネチカットで雪が降っても、このあたりだけ雨と言うことも多い。外に駐車したとしても、雪下ろしをしなければならない回数は、1年におそらく片手で数えるくらいであろう。オハイオ時代のように、夕方仕事を追えた後に、暖気しながら、あゎゎゎと震えて、車全体を覆う雪を降ろし、素手では触れない凍るようにつめたいハンドルを握って車を運転・・・なんてことは、この辺りではめったに起きないということがこの2年間でわかった。

もうひとつわかったのは、今住んでいるリバーサイドやオールドグリニッチは一軒家の多い一際閑静な住宅街。シナコの友達が近所にたくさんいるので、この近くが希望だったのだが、比較的値段も高く、デュプレックスは殆どない。すぐ西のコスコブにはデュプレックスが多く、またその西のグリニッチでは、駅の北側でグリニッチアーべニューより西は、ごみごみしていて安い。どちらもスクールバスの圏外。われわれの予算に合う殆どの物件はこのあたりに集中していた。


間もなくコレだ!と思えるものを見つけた。

グリニッチ駅から西へ徒歩12分のデュプレックス。ここには同じ大家が所有するデュプレックスが2棟と、1階部分がガレージで、上が住居となっている1軒の合計5軒が同じ敷地内にある。

最初に見た時の感想。外に停まっている車がみんなBMWだのベンツだのの外車だった。ここに住めば、おそらくこの中で一番見劣りする車が我が家の2台だろう・・・。

比較的築が浅く、3ベッド。Unfinishedの地下室もあるが、壁のブロックにはきれいにペンキが塗られ、下もタイルが引いてある。我が家の不気味な地下室に比べたら、ほーんとにきれいだった。1階はリビングとダイニングキッチン。2階に3部屋とバスルームがひとつ。デュプレックスの庭は共同という場合が多いのに、ここは一軒分が囲われて小さいながらもプライベートな空間。ジョダオにはもってこい。

ファミリールームとリビングの二つの居間がある現在の家と比較すると、ひとつに減るし、バスルームもひとつ減る(但し1階にトイレはもうひとつある)。地下室のスペースは半分以下。前庭はなくなり、裏庭は4分の1ほどになる。ガレージもなくなる。(2台分のガレージのひとつは、その上に住む人が使用し、もうひとつはこれら借家のメンテナンスを受け持つ大家の息子が物置に使用している。)

スクールバスもない。歩けば小一時間なので、送り迎えが必要になる(泣!) 「ママが中学の時は片道40分を、重たい鞄を持って山の上の学校まで歩いてました!」と説得してるんだけれど・・・。ま、ちょっと歩けば路線バスが走っているので、最悪はこれに乗ることもできる。但し30分に1本くらいで、おまけにいつ来るのか宛にはならなそうである。

現在そのデュプレックスに住んでいるのは、若いロシア人の夫婦に2歳の子供。家のレベルとしては、スターターファミリーと呼ばれるこのくらいの人たちに適当なものである。ここでの標準に当てはめると、我が家のような、大きな娘が二人いる4人家族には小さすぎる。でも、我々は、なんたってウサギ小屋慣れした日本人。しかもキニコは殆ど家にいなくなるはずだし、これでも日本のマンションよりは広い。何を文句があろう。

と言うわけで、取り合えず夫が譲れない「駅まで徒歩圏」と言う条件は満足したし、ナ、ナ、ナント言っても新しい家の家賃は2500ドル! 一月1400ドルもセーブでき、掛ける12で16800ドル! 私が働くよりよっぽど手っ取り早い! (でも、働けよ、と夫には釘を刺された。)

さっそく、この家を借りたいと申し入れたら、大家さんは二つ返事でOKをくれなかった。家を案内してもらった時に一度会っているにもかかわらず、「もう一度会って話をしたい」と喫茶店に呼び出された。喫茶店には不動産屋も同席。

「いや、あの日、ご主人はあまり嬉しそうでなかったから。ボクは自分が貸す家にはみんながハッピーな気持ちで住んで欲しいから・・・」と言う。確かに見に行った日は、狭いと言う理由で夫は乗り気ではなかった。でも、「2500ドルだよ、2500ドル。3ベッドで、あの綺麗さで、地下もあって、2500は絶対に得だよ!」と言う私の説得で、夫は結構乗り気になっていた。で、「夫も娘もあの家が気に入っています。本当は、われわれに支払い能力があるか、正直言ってそれを心配されているんじゃないですか?」と聞くと、「はっきり言って、それもあります。」

大家は私たちが引っ越す理由がお金をセーブしたいからと聞き、しかも3900ドルのところから2500ドルのところに移ると聞いて、ものすごく警戒していた。借金があって支払いに困っているのじゃないか・・・と疑っていたらしい。そこで信用調査もされた。(されたと言うか、自分でやって、その書類を提出させられた。驚いた。既にキャンセルしたものも含めた、これまでにアメリカで持っていたクレジットカード24枚の全ての取引結果がぞろぞろ出てきた。カードを作ると、初回の買い物が20%オフとか言う文句につられて、その1回のために作ったカードが何枚あるか・・・。初めてオハイオに引っ越した時、お金がなくて、分割払いで払った家具代まで。怖ーい。) でも、全てに関して「期限内に支払い。延滞なし」と書かれ、「優秀な」信用履歴の持ち主であることが証明された。ふん!どんなもんでぃ。(夫のほうは信用履歴が短いので、ちょっとしか出て来なかった。)

「それにしても、あそこにお住まいの方は、皆さんいい車に乗ってますね。」
私が言うと、大家さんも「ほんと、僕も常々思ってました。僕の車も古いトヨタだから。でも僕はノーウォーク在住だから、そこじゃみんな車はそんなもの。」 
グリニッチで銅線を扱う小さな会社を経営している大家さんは、本当は大金持ちなんだろうけど。

余談だが、ご自分の信用履歴をご覧になりたい方は、下記のサイトで無料で1年に1回見ることができる。(本人確認のため、細かな質問をされるのだが、一時的に郵便を転送させてもらっていた友人の住所まで質問内容に出て来たときは、一体どこまで知られているのか、本当に恐ろしくなった。)
https://www.annualcreditreport.com/cra/index.jsp


引越しは6月末か7月初。今の家の借り手が早く見つかれば、もう少し早く引越しできる可能性も。

先週末辺りから、不動産屋に連れられて、興味のあるという人たちがこの家を見に来始めた。お陰で常に家の中は片付いていて、気分もいいのだ。あの荒れ放題のシナコの部屋さえ、今はすっきり片付いている。これって、思わぬ副産物。

基本的に私は引越しが好き。だって不要なものが思い切って処分できるし、掃除も隅々までできる。これから引っ越すまで忙しいけれど、気分は浮き浮きである。だいたい、唯一の例外である5年間同じ家に住んだオハイオを除いて、結婚してから2年置きに宿替えして来たので、ちょっと同じところに長くいると、動きたくなるのだ。

ところで、今のこの家、4100ドルで広告が出ていた。このボロ家に4100ドルねぇ。どこまでもがめつい大家である。なのに昨日も日本人が二人、おとといも一人、今日も留守中に誰かが見に来ていた。

見学に来る前には必ず不動産屋から連絡があるものの、家人が留守の場合も、自由に家に入れるように、合鍵が用意される。

合鍵は写真のような入れ物に入れ、ドアノブなどにつるされる。この家も、Multiple Listingと呼ばれる複数の不動産屋の扱いになっており、この容器を開ける鍵は(レーザーのようなもので電子的に開錠していた)、それぞれの不動産屋が持っている。

私が物件探しをしていたときも同様で、Multiple Listingの場合には、何軒もの不動産屋から同じ物件の情報が入ってくる。賃貸者が支払うコミッション(通常は家賃の1か月分)は、その家を実際に扱う不動産屋と、実際にお客を連れてきた不動産屋の間で折半するらしい。

下のウェブサイトの一番上の2500ドルが新しい我が家。
上の電車の駅名をそれぞれクリックすると、各駅周辺の物件が見られます。
残念ながらリバーサイドをクリックしても、今のこの家は、現時点では掲載されていません。
http://www.shoenrealty.com/ct_l.asp?codeloca=110


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明日から来客があり、しばらく忙しくなる。2週間後のキニコの卒業式に参加したいと、オクラホマ州からアメリカのお母さんがやって来ることになっている。キニコの卒業もさることながら、ニュージャージーとブルックリンに住む実の娘とその家族に会うことも兼ねている。実の娘たちは冷たいもので、出迎えてもくれないし、家に遊びに来いとも言ってくれないらしい。私はもう何十年もお世話になっているし、空港への送り迎えもするし、”義理の息子”の中で一番優しいと言われている夫も、マンハッタンでご馳走してあげようと言ってくれている。どことも、実の子供と言うのは冷たいものなのだな。

と言うことで、またしばらくブログが更新できそうもありません・・・。

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