2008年4月14日月曜日

学校教育について(2)

私はマンハッタンに住むA子さんという美容師にいつも髪を切ってもらっている。先日、久しぶりにA子さんのもとを訪れ、ヘアカラー(ふん、早い話が、白髪染めさ)とカットをしてもらった。A子さんにはナイジェリア出身のご主人との間に小学生と幼稚園の二人の息子がいる。二人ともマンハッタンの公立に通っている。マンハッタンの公立教育は、Pre-Kから始まる。日本流に言えば、Pre-K(年中)、 K(年長)、 1年生となる。

A子さんから面白い話を聞いた。マンハッタンの彼女の学区では、ほとんどの小学校がひとつの建物を二つの学校で使用しているとのこと。つまり、ひとつの建物に別々の小学校があり、校長も二人、職員室も別々、教室も別々。ただし、体育の教師と保健室は共同で使用しているとのこと。

別々の学校というのは、単に便宜上二つに分けられているのではなく、教育方針も違うとのこと。また、彼女の住む学区内には10余りの小学校があり、この中のどの学校にも通うことができるそうだ。人気の高い学校の場合は、希望が通らないこともあるそうだが、基本的には、親の方針に合わせて、学校を選ぶができるのだそうだ。

A子さんの息子たちは、アートに力を入れた学校を選んだそうである。もうひとつの理由は、他の学校の幼稚園は午前中に終わってしまうが、ここは小学生の授業が終わる3時まで、幼稚園も見てくれるので、仕事を持つA子さんに取って、重要な要素でもあった。さらに、在籍する生徒の人種や民族の種類も一番豊富で、これも大きな要素であったらしい。同じ学区の中にはかなり勉強熱心な学校もあり、そちらには中国系の生徒が多いとか。

公立学校で学校により方針が違うこと、また学区内で選択肢があるなんて驚きだ。親の方針も子供たちの特性も違う中で、こうした選択肢の幅の広さも日本の学校に反映してもいいんじゃないかなぁ。スポーツに重きを置いた学校とか、演劇とか、音楽とか・・・。基本的な勉強時間を犠牲にしないで、余った時間を特別な学習や練習に当てることは十分に可能だと思うんですけど。関西だったら、お笑いに焦点を当てた小学校ってのもいいなぁ。

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