キニコが以前使っていたコンピュータが壊れ、今日修理に来てもらった。キニコが高校に入学したときに買ったデスクトップ型だが、当時60ドルを払って、自分が誤って壊しても無料で修理してくれるという、4年間の有償保証を買った。過去3年半に渡り、何の故障も起きなかくて損した気分だったのだが、春休みにキニコが寮を空けている間、どうやらお掃除の人が入って、コンピュータの本体であるタワーを床に落としたみたい。マザーボードの部品が外れて飛び出し、コンピュータが立ち上がらなくなった。
たまたま春休み中に大学用にノートブック型を購入したので、壊れたデスクトップは我が家で引き取り、今日の修理となった。それにしても、あの60ドルの保証、買ってよかったなぁ。マザーボードだけでも200ドルって言ってたから。
しかし、修理に先立ち、どこがどう壊れているか電話で説明するのが大変だった。本体から飛び出した部品の形状を言葉で説明しなくちゃいけないのだが、「メタルでできた黒い部品で、大きさは4センチx4センチ。ピンみたいなものが飛び出していて・・・全部で30本かな、縦5本、横6本・・・違った、縦4本、横5本かも。え、どこについてたか? さあ、検討もつきません。それと小っさいピンも外れてます。ユー字型で、先がとがってて、U字の先に二つのピンを繋ぐプラスチックのブリッジみたいなのがあって・・」
日本語でだって、こんな説明大変だし、聞いてるほうは何だかわかならないでしょ。これを英語でやるんだから、そりゃもう大変どした。向こうもわからなくて、
「オタクに他のコンピュータある?」
ってことで、私のコンピュータをネットで繋いで、向こうが遠隔操作で、Dellのサイトに行ってくれて、当該のコンピュータのイラストのあるページへ。「はい、この絵を見て、どこのどの部品か、マウスで指してみて」。イラストは詳細じゃないないものだから、「これは何? この隣は何? あーこれが、ここのコイツに当たるわけね・・・。なるほど・・・。あ~、わかった、わかった! これです! 取れたのはこれです!」
ようやく向こうもどこが故障しているかを突き止め、「これはシステムボードの交換ですね~。お宅の近所のテクニシャンに部品を送りますから、着いたら修理してもらってください。」
と言うわけで、本日の修理にあいなりにけり。
外から人がやって来ると、ジョダは必ず吠える。郵便屋さんのおじさんは心得たもので、書留などをドアまで持ってきてくれるときは、必ずポケットから犬のビスケットを取り出して、ジョダコにくれる。最近では郵便屋さんを見ると、ジョダコは尻尾を振って出迎えている。
今日のお兄さんは、ちょっぴしコワモテだったので、修理している間中ジョダコが吠えても困るので、「あなたからあげて下さい」とジョダのおやつを彼に手渡した。目の前で私がお兄さんにおやつを渡しているのを目撃しながらも、馬鹿なジョダコは、お兄さんからおやつをもらったと勘違いし、以降はお兄さんが好きになり、愛想を振り舞いていた。
さて、作業に入る前に、ちらりと我が家を見回したお兄さん。玄関にあるシリアのモザイクを施した小さなテーブルを見て、「これはどこで買ったのですか?」
そこで、お兄さんの「コワモテ」の謎が解けた。彼はアラブ人なのね。アラブと聞くと、すぐさま郷愁に駆られる私。お兄さんを質問攻めに。彼はモロッコ出身のアラブ人なのでした。
そこで、ふと心をよぎった疑問。
「ねえ、アラブ人って一般的に犬が嫌いよね。それってどうして?」
ぶしつけな質問だったけど、お兄さんは素直にこう答えたのでした。
「実は僕もあまり犬は好きじゃないの。アラブ人が犬嫌いなのは、『犬のいる所には天使は来ない』とされているから。」
「へ? コーランにそう書いてあるの?」
「コーランには書いてない。」
「じゃ、迷信?」
「迷信でもない。スンナに書かれているんだ。」
スンナはモハメッドの慣行だけれど、コーランに次ぐもので、やはり守っている人が多い。スンニー派って言うのは、確かスンナを重んじる宗派だったような。(良く分からないので、スンナの詳しい説明は、ウィキペディアでも読んでくださいな。)
「へー、知らなかったー。早速ブログに書かなくっちゃ!」
「ブログ書いてるの?」
「うん、日本語だけどね。」
あー、アラブ人の犬嫌いの謎が解けて、修理も得したけど、お兄さんと出会ってブログのネタが出来て、もっと得した気分!
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