キニコの大学が早くも夏休みに突入したため、土曜日は片道3時間半かけて、コイオと共にキニコを迎えに行った。来年度はこの大学には戻らないので、山のような荷物があるため「電車で帰って来い」とは行かなかったのだ。しかも出発は朝の5時半。午後に、キニコの高校を含む複数校間で陸上の試合があり、陸上部だったキニコが見に行きたいと言ったからだ。わがまま娘のために、睡眠時間も削らねばならなかった。
陸上の試合はチョート校で行なわれ、チョート出身の友達も一緒に連れ帰った。シェルドンは陸上部ではなかったけど、懐かしの母校を訪ねたかったらしい。今度の日曜まで1週間うちに居る予定。
シェルドンはアリゾナ出身。見かけはアラブ系かインド系にしか見えない。私がそう言うと、「大学のカフェテリアでもアフガニスタン出身の女性に、『あなたは同胞に違いない』と言われた」と言っていた。母親がナバホインデアンだそう。でもネイティヴ・アメリカンと言うより、どこから見ても中東系の美人。
ところでキニコの編入先は、ダートマスから不合格の返事を貰い(返事を待たなくても最初からわかってるだろうが)ほぼトロントに落ち着きそう。学費も安くなるし、良い大学だし、親として文句はないものの、車だと8時間半と遠いし、留学生の扱いになるので(アメリカ人でも)学生ビザを取得しないといけない。アメリカの永住権はそのまま何もしなくてもいいのか、国外に長期住むための手続きをしなくちゃいけないのか、ちょっとややこしい。
トロント大学のキャンパス再訪問日と言うのが今月24日にあるので、一家で観光がてらに行く予定。私はカナダに住む友達にも会えるし、楽しみだぁ。
編入は良いのだが、問題はキニコが主張するギャップイヤー。もっともらしい理由をメールで書いてよこしたときは、私もまぁいいかと思ったのだが、やっぱりどう考えても単に1年間遊びたいと思っているようにしか見受けられない。
ディズニーワールドで6ヶ月働くインターンシップに応募したものの、それもダメだったよう。私には、これは安価な労働力を手に入れるためのディズニーの搾取と思っていたのだが、簡単に採用しないところをみたら真面目なインターンシップだったのか。それとも今は買い手市場で幾らでも労働力があるから、ええ加減な学生は採用しないのか。(基本的にインターンは大学3年、4年が対象な場合が多い。)ディズニーのインターンは、最低賃金の上に、住む所も食費も自分持ちなので、殆どお金が残らない。
キニコも当初はここで稼いだお金で、ボランティアをしようとしていたが、その計画も消えた。ボランティアの殆どは有料なのである。ボランティアに頼らなければならぬほど資金のない国が、わざわざお金を払うくらいなら、未熟な経験しかない外国人を雇わずに、その国の言葉をちゃんと話せる地元の人を雇う--それ故、一部の費用は自己負担らしい。キニコは今、半年間バイトしてお金を貯めるなどと言っているが、こういう行き当たりばったりのところが私は納得できないし、許せない。
そもそも「1年間学校を休んで将来の進路を考える」と言いながら、方向性としては「獣医になるためか動物の飼育に関係する勉強」と「フランス語」をやりたいと、なんの関連もないバラバラのものを挙げ連ね、そのため大学ではBS(理学士)とBA(文学士)のダブルメジャーにする(専門を2課程取る)とか言う。怠け者のキニコにダブルメジャーなんて無理と思う。ホンマ、何を考えているやら。10歩譲って、フランス語と動物の勉強を本気で考えていると受け入れたとしても、今年1年間は「フランス語が嫌い」と言ってフランス語を取らず(中国語と日本語を取っていた)、今は「中国語なんて役に立たない」と言ってのける。おまけに、あいつは猫アレルギー! 獣医になってどないするねん!? ライオンもトラもネコ科やんか。
はぁ~。信じてやりたくても・・・です。とにかく、この1年は素直に大学に行って真剣に海外ボランティアしたいなら、興味あるボランティア組織を綿密に調べて、お金も自分で貯めるなり、寄付を募るなりしろと言いたいのであります。(既にちらっと言ったので、我々の間には不穏な空気が流れております。)
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