2009年7月25日土曜日

電話

シナコからは、着きましたメール以来、全く音沙汰なし。
先週、ヴァレリーから「シナコがロンドンに行きたいって言うから、連れて行ってあげようと思うけど、親の同意書とかいるのかな? 何か制約はあるの?」と電話があった。

「なにー? ロンドンだと? そんなわがまま言ってるの? いいよ、行かなくて」
「いいの。私は連れて行けないけど、アルノーがマリアと一緒に車で連れて行くって言ってるから」

アルノーはヴァレリーの元彼で、マリアのお父さん。

「えー、わるいなー。制約はないんじゃない。パスポートさえあれば大丈夫と思うけど」
「そうか。イギリスはEUじゃないから、EU圏外に未成年を連れて行くときは、フランス人は親の同意書が必要なの。このまえ従妹を連れて行ったんだけど、必要だったから」
「車で行くの? なら、カレまで行ってだめだったら、そこで引き返してくれば。シナコに『対岸がイギリスですよ~』って見せとけばいいよ」

そんな会話をして、そのあと一瞬シナコに代わったけど、「元気です、楽しいです」(何故か、かしこまっている)くらいしか言ってなかった。20日からは語学学校のアリアンス・フランセーズに通いはじめているはずだけど、こっちも聞くのも忘れたし。

コイオの方が気になっているらしく、「シナコに何度かメールしてるのに、全く返事ないけど、そっちに何か言ってきてるか」って聞くけど、こっちも同じ。私も半ば忘れてたし。

家にいるキニコのほうには、長いこと家を空けている負い目があって、時々電話でご機嫌伺いをするんだけど、大抵は寝てるんだかなんだか、電話に出ないで、あとになってかかってくる。

「何の用事?」
「え、別に用事ないけど、どうしてるのかなって思って」
「何それ」
「いいやん、用事なくて電話しても。何か変わったことある?」
「別に」
「あっそ。花に水やってくれてる?」
「雨降ってる」
「あっそ。ジョダの散歩行ってる?」
「さっき行ってたから、電話にでなかったんじゃん」
「あっそ。じゃ、特にないなら・・・」
「ないよ」
「じゃーね、バイバイ」

と言った感じ。普段から用事もないのに電話で話す癖がないからこういうことになるのね。

まぁ考えてみたら、一昔前くらいまでは、私も親に用事もないのに電話するなんてことはなかった。まぁ、当時は電話代が比較にならないくらい高かったけど。無論親からもかかってこない。パリに住んでいた2年間でも、私の記憶にある限り、親から電話があったのはただの1回。滅多にかからない電話だから、受話器を取って父の声を聞いたときは、絶対に誰か死んだと思った。(実は得意先の娘がパリに行くから、面倒を見てやってくれ、ってことだった。)

私は電話より書くほうだし、母もそうだし、メール時代が到来するまでは、もっぱら手紙だったからな。母やアメリカのお母さんとの間で往復した手紙は、結構な数になる。

今でも電話よりはメールのほうが気楽な部分がある。これって子供のころから、ちょっと長電話すると、「なにをしょうもないことしゃべってるねん、早よ切れ」と父に言われて、用事がなくて電話するという癖がなくなってしまったからか。(と言って、長電話しませんってことじゃないのだけど。)

いずれにせよ、便りのないのは良い便りで、シナコもキニコも元気にやってるんでしょ。

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