2009年5月17日日曜日

H1N1型インフルエンザ

日本のニュースで神戸と大阪の高校生の中で感染者が見つかり、神戸や芦屋、大阪でも学校や公のサービスが閉鎖になるという話は聞いていた。ニュースでは何故か決して学校名は特定しないし、クラブの交流試合で移った可能性を示唆しても何のクラブか言わないし、なんでや、と不満に思っていたら。

今朝母からメールがあり、最初は神戸高校で、次は、バレーボールの交流試合で観戦したらしい兵庫高校の生徒。大阪は、茨木市の私立、関西大倉。そのため神戸、芦屋では、学校、公民館、映画館などが閉鎖で、母が受賞者なので楽しみにしていた神戸新聞の年間賞の授賞式も中止に。また、姉との金沢旅行も、姉の娘の修学旅行が中止になったことと、こんなときに「神戸から来ました」と旅行に行くのも気が引けて、キャンセルしたそう。慌ててスーパーに走ってもマスクは売り切れ。父も母も、外での活動が何一つできず退屈してる模様。

豊中の友人からもメールが来て、昨日豊中市でも2名の感染者が出て、とうとう今日から23日までの一週間、豊中市内全域の幼稚園、小・中学校は休校の命令が出た。そういう必要があるのかどうかさえわからないけれど、市長からのお達しなので仕方がない。でも情報は錯綜していて、なかなか学校からの正式な情報もなし。保育園も障害者の託児も高齢者のディケアーも全て閉鎖らしい。中間テストも取りやめらしい、修学旅行も中止かもなど、情報ばかりが渦巻いており、買い物に出ると、もうスーパーの前は車の長蛇の列。町中マスクの人で溢れ、使い捨てのマスクはどこも売り切れの、まさにパニック状態、とのこと。

このインフルエンザが表面化した当初から感じていたことなんだけれど、アメリカと日本の報道に大きな違いがあった。日本は感染者が出ないうちから、えらい大騒ぎで、ニュースでも毎日大きく取り上げらていた。一番最初に感染が疑われた高校生が、「新型インフルエンザでなかった」といういニュースが大きく取り上げられ、その高校の校長まで記者会見・・・を見て、「違ってんから、違いましただけでええやんか」と冷ややかな目でニュースを見ていた私。

一方、最初に海外での感染者と死者を出したアメリカは、相変わらず死者と感染者数は増えているものの、今ではインフルエンザがトップニュースになることはない。そのため、ここの所、インフルエンザがどうなっているのか全然わからない。昨日のニュースも、オバマ大統領がノートルダム大学の卒業式でスピーチをすることが波紋を呼んでいる(中絶賛成を掲げるオバマ氏の政策がカトリック大学の生徒の一部には受け入れられないため、卒業生の中にボイコットする生徒が出ている)など、政治と経済のニュースばかり。感染者を出したブルックリンの高校も、再開して以降の報道は何もない。ってことは落ち着いているのでしょう、多分。

当初からアメリカではメディア間で、どちらかと言うと「できるだけパニックを起こさないような報道」を心がけていたように思う。バイデン副大統領が「僕だったら家族には出来るだけ出掛けずに、密室のような空間には入らないように言うね」と発言して、かなりのバッシングを受けていた。この発言に対してニューヨークの市長も、「地下鉄の利用は心配ない」などのコメントを出していたくらい。(地下鉄の利用をやめて、みんなに車でニューヨークに来られても困るということなのだけど。)

そう言えば、阪急電車の駅員さんたちがみんなマスクをしていて、消毒液で電車を清拭している様子が映し出されていたけれど、ニューヨークの地下鉄なんて何もしてなかった。何たる対比。町行く人もマスクはしていない。(そもそも、マスクをする習慣がないですから。日本に行ったアメリカ人が、花粉症などでマスクをしているのを見て、かなり不思議そうにしていました。)

フェーズが4から5に上がった時も、アメリカでの報道は「フェーズを上げる事により、国際間の協力を強化するため」とWHOの人がコメントしていた。どうやらフェーズによって、国際間の協力レベルが規定されているよう。こういう話は日本の報道では聞かれなかった。更にフェーズが上昇した時の専門家のコメントでは「現在の感染の状態からは既に6であってもいいくらい」とも。これはどう解釈するべきなのか。6にしてパニックを起こすより、毒性が低いことからとりあえず5で、と言うことなのかなと私は思ったけれど。

どちらの報道が正しいのかはわからない。アメリカ側は実際よりは、かなり差し引いて報道していると言うことも考えられるし、日本は殆どヒステリックな状態とも言える。実のところはどうなのか、おいおいわかっていくことでしょう。それにしてもこの差異は、報道機関の対応の違いか、政府の対応の違いか、はたまた国民性の違いなのだろうか。

2 件のコメント:

テンテン さんのコメント...

やっぱり、日本とアメリカとでは、
こういう事態の基本的な報道のあり様が違うね。

でも、報道を聞く側にとっては、
マスコミの報道にいいも悪いも直接影響を受けるのはどの国民も同じだと思うし、
先の北朝鮮のミサイル事件の時もそうだったけれど、
とかく日本は、マスコミ自体が踊らされやすいのか。
それはマスコミ自体に、
ジャーナリストとして本来あるべき主張、主義が少ないからかとも感じるね。

かといって、アメリカの報道が必ずしも正しいとは私は思わないけれど、
少なくとも、日本よりはバリエーションが多いような気がするけれど…

Jodako さんのコメント...

本当のところ、どっちがきちんと報道しているのかはわからない。ニューヨークの学校閉鎖の報道も、ニューヨークタイムズのローカル版のところで小さく記事が載っていたただけなので、意図的に控えめな報道をしているのかどうか。
ただ毒性が低いということは一般的に言われていて、症状も普通のインフルエンザと変わらないらしい。先進国ではそこまで深刻に捉えなくていいと、今のところは言われているけれど。これが発展途上国に広がると、こんな程度では済まないだろうから、そう言う可能性までも視野に入れて、日本が必死で食い止めようと努力しているならば、それは素晴らしいことやと思う。
アメリカの報道は、通常は、日本よりもずっと偏見が加味されているから、報道内容そのまま額面どおりに受け入れていいのかどうかわからないし、局によって言っていることにも違いがあるよ。でも往々にして政治的、政策的な立場や偏見に基づく内容がそうであって、今回のような衛生関連ではどうなんだろ・・・。