2008年1月30日水曜日

アメリカの大学事情11

判りやすいように、再度リストを示す。

大学名  公/私 確率 ランキング A学費  B寮費  A+B
コロンビア   私   ×   9   37,000    9,100   46,100
JHU     私  △   16   35,900   11,100   47,000
BC      私  △   34   35,700   11,700   47,400
WM     公  △   33   25,700   7,400   33,100
UM1    公   〇  24   30,100    8,200   38,300
UM2    私   〇  52   33,000   9,800   42,800
MG(カナダ)公   〇   -   15,000   8,300   23,300
BM    私(女) 〇  24   34,700  11,000   45,700
DC    私    ◎  44   35,800   9,000   44,800
CU    私    ◎ 124   29,200  10,100   39,300
UConn 公     ◎  64    8,800   8,850   17,650

ご覧のように、公立と私立で多少差があるとは言え、安いとは言えない。格段に安いのは、居住州にあるUConn。

しかし、前にも書いたとおり、このUConnの授業料ですら、日本の授業料と並べると決して安くはない。今日のドルの為替レート107円で換算しても、

国立大学 5,666 (606,300円)
慶応大学 8,398 (898,650円)
ICU 13,009 (1,392,000円)
関学 8,640 (924,500円)

なら、どうして、そこまでしてキニコをアメリカの大学に行かせるのか、という話になりそうだけれど、確かに大いに議論の余地はある。が、そう簡単にも行かないのである。勿論どうしても学費が捻出できないとなると、最終的にはそれも視野に入れなければならないかもしれない。キニコが実際に日本語で日本の授業についていけるとは思えないが。

その議論はさておき、目下の問題は、この11校の中で、幾つ合格し、そのうちのどこが進学可能な授業料を提示してくれるかである。正直言って、どこでもいいから、一番安いところに行って欲しい。

私が上記にランキングを入れたのには意味がある。キニコは、私がランキングのことを持ち出すと非常に機嫌が悪くなる。ランキングなどに左右されるな、と言うのである。確かにその通りで、一般的なランキングは、大学の良し悪しや、その生徒にとってその学校が相応しいかどうかには関係がないだろう。けれど、これだけお金が絡むのだから、その価値があるのかどうか、これらの学校に馴染みのない日本人の親としては何を頼りにすればよいのだろうか。

そこですぐさま、USNewsの大学ランキングを見てしまう。この雑誌は毎年大学のランキングを発表している。全米の大学だけが対象で、National Universitiesと、Liberal Art Collegesを別々にランクしている。キニコが受験している11校の中で、BMとDCがCollegeにあたる。

これがそのサイト。http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/usnews/edu/college/rankings/rankindex_brief.php

先日、キニコとCUの面接にでかけた。面接官がコネチカット州の州都のハートフォードのホテルに来て、ロビーで面接が行われた。キニコが面接を受けている間、私は別のソファーで本を読んでいた。面接後、面接官の女性が、私に挨拶に来た。

大学の面接は、キャンパスで行われる場合や、大学が各地を回って行う場合と、大学の代理として卒業生が行う場合もある。今回の場合は、CUのAdmissionのAssistant Directorとの面接だった。おそらくAssistanto Directorは複数いる。自身がこの大学の卒業生(2001)で、まだ若い女性だった。

面接官が、「質問はないですか?」と聞くので、「質問はありませんが、ひと言お話したいことがあります。私は娘が行きたいなら、どこの大学に行ってくれても、全然かまわないのです。但し、その費用が捻出できたらの話です。しかし今のアメリカの授業料で、いったい誰が子供たちを大学に進学させることができるでしょう。はっきり言って無理です。日本の授業料は、トップレベルの私学でさえ、州内の学生の州立大学より安いのです。」と、延々と訴えた。勿論彼女も、だれもこの授業料をフルで払える人などいないと言っていた。そして、「我が校は他の私学と比べて学費も安いし、おまけに寄付も多く、Merit奨学金もたくさん出しています。キニコさんの成績は問題ない、というより、非常にいい成績だし奨学金を出せるでしょう。キニコさんにも勧めましたが、是非Honorsのコースに進んだほうがよいと思います・・・。」云々。

この4年間、耳にしたことのない賛辞を聞いて、とっても気分がよくなってしまった。帰りの車でも、「4年ぶりに、こんなに誉めてもらって、悪い気しなかったでしょ。やっぱり、あまり背伸びしないで、いいんじゃない。賢い子ばっかりに囲まれて、劣等感を感じるより、少し落として、上のほうに行けるのも悪くないかも。それに、なんだか奨学金もくれそうなこと言っていたし・・・。」

私の心の中ではもう、「大学はここだ!」と、取らぬ狸の皮算用をし始めてしまった。でも、合格したわけでも、具体的なオファーがあったわけでもなく、がっかりしてはいけないので、あまり夢を膨らませないようにしよう。

というわけで、勝手に進学先を決めて、勝手に受験してくれる、日本の受験生とは違い、お金とは縁が切っても切れない問題だけに、必要に駆られて親が絡んでしまうのです。あーやだやだ。(自分が体験したことがないだけに、非常に興味はあるけれど、他人事ではないだけに非常に面倒くさいし、頭が痛い!これだけ書いたから、ちょっとは私の心労もわかってもらえるかな。)

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

受験生の母です。ああ、大変そうだなぁ、私にはできないなぁと思いながら読ませていただいています。うちの場合、あと一年、という結果もあるので完全にお気楽ってわけじゃないけど・・・気が気じゃない期間がこんなに長いと大変ですね。

Sophiaの国際教養は授業全部英語だけど、キニコちゃんはアメリカの大学がいいんだよね。

Jodako さんのコメント...

参考までにSophiaの国際教養学部の費用を調べようと思ったんだけれど、授業料が単位あたりでしか示していなかったので、1年間平均何単位必要なのかわからなかったために、調べ切れませんでした。その他の費用を4年間で平均して割ると1年当たり、284,337円になるのですが、1年間に平均単位はどのくらいなんでしょうね? わかったら嬉しいんだけれど。

匿名 さんのコメント...

単位制だとは聞いていたんだけれど(だからとってしまった科目を落とさないように国際教養の人たちは必死だと)、28万ってことはないと思うんで(私が大学院に払っているのは年間90万ほど。学部はもう少しは安いって感じ)調べてみるね。

匿名 さんのコメント...

もどってきました。卒業に必要な単位数はわからなかったんだけど↓のページによると

http://www.sophia.ac.jp/J/facexamContents.nsf/Content/app_fla

年間平均して33単位?なのかな。授業料は他学部より若干高いって感じですね。
国際教養(元:比較文化)は別の大学が同じところにあるって感じで、外国です。ただ、違うのは東京の都心も都心にあるのでキャンパスがしゅーーーっとまっすぐ歩くと終わる(!)アメリカのだだっぴろいおおらかな雰囲気はなしです(--;

そういや、OUFSはとうとうなくなっちゃいましたね。

匿名 さんのコメント...

アメリカじゃ学部のほうが大学院より授業料が高い場合が多いんだけれどね。日本じゃ逆なのかな。
お金をそっちのけで考えると、断然アメリカの学生のほうが大学で勉強させられると思うんだよね。日本の大学生は授業料は安くともそれに値するだけ勉強しているのだろうか? それとも勉強しなかったのは、私だけだったのだろうか? 疑問です。
そ、これからは、私たちの母校は阪大なのだ!(んなわけない?)