6月10日に予定だったクロージングは、ローンの審査に時間がかかり、結局昨日に延期となっていましたが、無事にクローズすることができました。
クロージングなんて日本の皆様には聞きなれない言葉。アメリカで家を購入する際には必ず出てくるので、私も言葉は知っていたし、その日が「実際の譲渡日」と理解はしていましたが、具体的に何をするのかは知りませんでした。
元々予定だった10日は、購入側の専任エージェントであるマージに全てを一任していたので立ち会う積もりはなく、私は16日に免許のことや引っ越し前に必要なことをするために日帰りで行くべく飛行機を取っていました。延期されたお陰でクロージングを体験出来てよかったです。
クロージングは販売会社と購入者の双方を代表する弁護士の事務所で行なわれました。参加者は弁護士とマージと私。
マージの話では、これがNY州だと、買い手側の弁護士、売り手側の弁護士、ローン会社の弁護士と、弁護士が3人もいて「弁護士が3人もいたら、決まる話も決まらない。お昼に何食べるかだけでも、すんなり合意が取れないのよ」(笑)。
私が持参したのは、前日に連絡のあった金額の小切手。「家の代金+クロージング諸費用-ローンの金額-頭金」の額です。ありとあらゆる書類にサインさせられましたが、全ての書類に関して、ひとつひとつ弁護士が内容を説明していきます。(わたしは自分の名前だけをサインすればいいので早いのですが、コイオの代理人であるマージは、いちいち「コイオの代理人として署名します、マージ・ビッシュ」って書かなくちゃいけないから、大変。
別に驚く内容の書類はなく、ローン手数料に関して「詳細の説明を受け、依存はありません」とか、「ローンの申請書の内容に相違ありません」「ローンの支払い月額を確認しました」「ローンの書類に印字ミスがあった場合は修正に同意します」「家の審査書類は受け取りました」などというローン関連の書類に始まり、次は家に関して「光熱費の名義を3日以内に書き換えます」「害虫駆除のシステムは理解しました」「サブディビジョンの規則は理解しています」「管理費について理解しています」。中には「連邦法に触れるローン詐欺の罪は犯しておりません」というのもありました。全部で20から30くらいの書類にサインしたでしょうか。そして最後は「権利書」にサインして「おめでとうございます」と握手して鍵をもらっておしまい。あわせて1時間半くらい。
クロージングで一番最初に説明があったのはHUD-1という書類でした。
弁護士が「それでは、ハッドの説明をします。まず3ページ目のクロージング手数料の内訳から見てみましょう。」
「…すみません、ハッドって何の略ですか?」
家を購入したことのある人なら承知の書類でも、なんせこっちは生まれて初めての素人ですから。
「ああ、そうですね。HUDはDepartment of Housing and Urban Development (住宅都市開発省)の略で、そこが指定するローンの合意文書です。」
HUD-1の項目を全て説明してもらい、内容に誤りがなければ署名、だったのですが、実は一点確認したいことがありました。
それは、マージと2人で弁護士事務所に向かうときに初めて打ち明けた話。自分のミスだと恥ずかしく思っていたのと、もしかしてマージも気付いていて黙っているのかと思っていて、確認するのを躊躇していたのですが、思い切って尋ねてみました。
「マージ、やっぱりひとつ確認しておきたいことがあるんだけど」
「何?」
「購入を決めたときに、マージが販売会社と交渉してくれたでしょ? 冷蔵庫・洗濯機・乾燥機を買うためのお金に3,000ドルと、クロージング手数料として3500ドルを販売会社が出すようにって?」
「そうよ」
「でも3500ドルはもらえなかった。昨日送られて来た明細には含まれてなかった」
新築物件ではしょっちゅうあることらしいのですが、販売会社にはお抱えのローン会社と言うのがあり、その会社を使えばインセンティブとしてクロージング費用の一部を負担するというもの。あの家を見に行って、購入しようと決めたときに、マージが交渉条件として家電とクロージング費用の一部負担をお願いしてくれたのです。でも我が家の場合はコイオが日本にいることなど特殊事情があるので、予めそう言う事情がよくわかっているローン会社を使いたいという希望がありました(結果的には、パット君、全然わかってなかったんですけど・・・。)
「だから、あの時にわざわざ私が確認したでしょ? お抱えを使わなくてもこの3500ドルはくれるかって? それでOKってことだったじゃない。同時にあの場でパットにも電話して確認したじゃない?」
私はそこまで全然おぼえていなかったのですが・・・。
「でもちゃんと契約書には但し書きがあった。あの時、契約書を向こうの担当が、ひとつずつ簡単に説明して、ページごとに私がサインして行ったでしょ? そのとき彼女はその但し書きのところは、故意かどうかわからないけれど、説明はしなかった。その後、購入物件が違うものに切り替わって、再度契約書にサインしてファックスしたんだけど、実は契約書にきちんと目を通したのは、それから更に1週間以上経ってから。そこで初めて但し書きに気付いて愕然としたけれど、もうサインしてたし…。めくらサインをした自分が悪いから、言うに言われず黙ってた…。」
マージも契約書のコピーは持っていたけれど、読んではいなかったのです。と言うのも、ファックスで送信した契約書は、元々のリーガルサイズがレターサイズに縮小されて字が潰れていて読めなかったから。
余談ですが、今回の経験で、なぜアメリカで通常使われる紙のサイズであるレターサイズ(A4を少し短くして太くしたサイズ)を更に15センチ位くらい長くした縦長の紙のことを「リーガルサイズ」と呼ぶのか良くわかりました。契約書などの法的文書はこれが標準サイズなのですね。
で、「とにかくこのことは弁護士に相談しましょう」と言う事になっていました。
弁護士に事情を説明すると、とにかく販売会社に確認しようと言う事になり、最初に署名するはずのハッドは後回し。
全ての書類を確認した後、「販売会社が3500ドル払う事に合意しましたよ、ハッドを差し替えます」という朗報がもたらされ、私はめでたく差額の3500ドルの小切手をもらって帰ってきました。ヤッホー!
アメリカは契約社会だし、ダメだろうとあきらめていただけに、なんだかタナボタ気分! ルンルン。
コイオにもめくらでサインして3500ドルもらい損ねた話は内緒にしてたから、これはこっそり自分の口座にもどしましょう。マージも、言うなって言うし。わはは。
2 件のコメント:
はい、私もまったく異存はございません。そういたしましょう。\(^o^)/
クロージング完了、おめでとうございます。
言わなきゃわかんないもんねー。言って嫌味言われるのが落ちだし。だけど、ちゃんと契約書読んだときは、ほんとに、ががーんとなりました。読まずにサインしたことは夫にも言ってて、「ちゃんと読め!」と言われたのん、「ふん、命まで取られないよ!」って大口叩いていただけに…。ハッピーエンドであー良かった。
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