2010年6月12日土曜日

サウジ徒然記 Vol.1

引っ越しモードで荷物の整理をしていたら、出てきたのがこれ。

サウジアラビアに住んでいた時、最初の2年間に住んだ「アラビアンホームズ」と言う名のコンパウンド。コンパウンドとは壁に囲まれた居住区のこと。ゲートがあって、アメリカでもGated communityなんていうのがあるけれど、あれに似ている。違いは、サウジの場合コンパウンドの中と外では天と地ほどの差がある。コンパウンドの中は西洋、まさに別世界。短パン・タンクトップで闊歩できるし、よそのご主人や息子さんなんかと言葉を交わしても咎められない。でも一歩外に出ると、厳しい戒律が待っている。

そのアラビアンホームズでは、週に1度の割合でコンパウンド内の広報誌が刊行されていた。A3の紙を2つ折りにした4面しかない刊行誌。その週のイベントやお買い物バスのスケジュール、コンパウンド内のレストランのメニュー、メンテナンスからのお知らせなど。その中の3分の1ページが日本語コーナーに割り当てられていた。このコンパウンドには日本人が大勢住んでいたから。

で、ある日、このコーナーを以前に担当していた人から「是非引き継いで」と言われ、しばらく書いたことがあった。今回読んでみたら、昔の話だけれど、なかなか面白い(自画自賛)。

と言うことでその一部をご披露します。

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某氏に泣きつかれ、原稿料の百リアルに目が眩み、OKしたものの、締め切り2日前だったという現実。いったい何を書いたらええもんやら。帰国までに一度は書きたいと思ってはいたけれど、こんなに早う回って来るとは思わなんだ。とにかくゴールドスークで、太っと~いネックレスとブレスレットのセットが買えるくらいお小遣いを稼ぎたいと思ってますんで、しつこく続くかも知れませんが、よろしゅう。

リヤドに来て早8ヶ月。極楽、極楽言うてるうちに飛ぶように過ぎた。あんまり極楽言うたら僻地手当てが減らされるからアカン、と諸先輩方から注意を受けたけど、こんな楽しい生活、言わいでおれますか。

なんたって、午前中、子供から解放された。日本じゃ幼稚園前の子を連れて、公園めぐりに明け暮れているはずの主婦が、やれブリッジや、テニスや、お茶にヨガ、エアロビのスケジュールを苦心して調整する。晴れた朝には、早から起きて布団を干し、洗濯を干してたのが、ベッドやから当然万年床。乾燥機があるから、別に朝やなくても、24時間、時間を気にせず洗濯できる。お宅によってはメイドさんが洗濯して、挙句の果てには引き出しにまでしまってくれる。これを極楽と呼ばずになんと呼びましょう。

それはさて置き、リヤドに来てびっくりしたことが数々あります。まず関西人が多い。東京に住んでいた頃は、家の中と外で、自由に関西弁と標準語を使い分け、バイリンギャルの異名をとっていたこの私。今じゃ誰かれかまわず「あんた、なにゆうてんのん」と語りかける始末。

あと世の中狭いということを実感。叔母の家の隣に住んでいたというT夫妻。同じ小学校だったと言うK夫人。偶然大学の同級生だったY夫妻。みーんな日本じゃ目と鼻の先にいながらすれ違っていたのが、こんな砂漠の真ん中で出会うなんて。

笑っても3年。泣いても3年。仲良く楽しく過ごさなソンソン。

2 件のコメント:

eri さんのコメント...

(前の記事と合わせてコメントしてます)
自宅教室をほぼたたんで、300キロくらい、ゴミを捨てたよ~。教材も捨てまくりました。でも、まだいっぱい残ってます。しぬまでになんとかしないと。

Compoundっていうのか。Marylandにて住んでいたところはGatedだったけど、Complexって言ってた。でも、英文法ではCompoundとComplexって別物だよな、とか、ぶつぶつ心の中で呟いてます。

Jodako さんのコメント...

Compoundってアメリカの住居のコミュニティーには使われない言葉だよね。辞書で引くとフェンスで囲まれた敷地と言うことらしく、工場や刑務所とかが例で上がっていた。Military compoundとかも言ったりするから、普通のコミュニティーよりも、閉鎖的で入出が規制されているイメージかな。そうだとサウジのコンパウンドのイメージと一致するよ(笑)。
Complexは集合住宅の建物そのものを差していると思っていたけれど、a group of similar buildings or facilities on the same saiteとあった。ふうん、そうなんだ、と新たな発見です。