2009年4月5日日曜日

認知症 (3)

今日も一日、義母と会っていないときは、ずっと泣いているという状況が続きました。

朝、お父さんを認知症病棟に入院させた経験のある友人に電話をしました。彼女は、周りにはいろいろという人がいるけれど、誰かが決断をしなくちゃいけない。私の話を聞いていると、やはり今は入院という手立てしかないように思う。

そうやって背中を押されて安堵したことは確かです。そして義母の家に向かいました。

今週の木曜に入院ということを考えて、髪が乱れている義母を誘って一緒に美容院に行きました。勿論私もしばらく自分の髪を放置していたので、自分が美容院に行く必要が一番あったのですが。また、義母と過ごす時間をもてあましていたので、そうやって時間を過ごすというずるい考えもありました。

二人してヘアカラーとカットをしてもらい、すっきりして帰りました。

義母の家で、台所に行ってみると、一昨日からそのままになった食器が流しにありました。私が洗い始めると、「いいから放っておいて。自分でやるから。」 
「うん、これだけね」と言いながらも、しつこく洗っていると、「人にされたら、イライラするから、やめて!」とだんだん腹を立てているのがわかります。
わかった、わかった、と言いながら、なんとか洗い終えました。散らかった家を片付けようとしても、自分でやるからいいと、全く片付けさせてくれません。

ファックスが紙詰まりのサインが出て、着信が不能になっており、義兄嫁から今朝「ファックスが送れないから見て頂戴」と頼まれていたので、私がチェックを始めました。

ちなみに、5分前のことを忘れてしまうので、電話で伝えても意味がないのです。ファックスに書いてあることを何度も見ることで、言われたことを思い出すのです。

機械をチェックしていると、「NTTに電話して見てもらうから、触らないで」と言います。
「これ、NTTの機械なの?」と聞くと、
「そんなの知らない。そんな昔のことは覚えていない!」
パナソニック製の最新の機械なので、NTTが置いているファックスとは違うようです。
「これって、お義兄さんが付けてくれたんじゃないの?」
「知らない。そんなことわからない!」
「取扱説明書はない?」
「そんなもの、何処に行ったかわからない! もういいから、放っておいて!」
自分が思い出せない、わからないことに、明らかにイラついている様子でした。
わたしの方も、むっとなる気持ちがありながらも(少し前ならきっと言い返していたでしょう)それを抑えて、「わかった、これだけ試したらやめるね」と言って、いろいろとやってみました。最終的には電源を抜いて、差しなおしたら直りました。

こんなことですぐに腹を立ててしまう義母。よほどベテランのヘルパーでない限り、無理なのではないか。やはり入院しか手がないのかと思いつつ、帰宅しました。

夜、私の実家に姉一家と妹一家が集まりました。
笑いの連続でした!

妹の家族は、今日はダンナの父親の三回忌だったそう。義兄の家で法事だったのですが、お坊さんがお経を読んでいる最中に妹の息子が、百均で買った数珠を引っ張って遊んでいたら、いきなり紐が切れて、数珠の玉が四方八方、お坊さんのところにまで飛んでいった。その様子がおかしくて、皆が笑いをこらえていたけれど、どうしても、くっくっく・・・と声が漏れてします。笑いをこらえていると余計におかしくなるでしょ。

とうとうお坊さんがお経を途中でやめて「どうぞ皆さん、思う存分笑って下さい!」
その一言で大爆笑。

そんな話の後、姉が「やっぱりお母さんを今入院させると、あんたが後悔するんじゃないの」と。
確かに万策尽きての入院ではない。でも、今入院させなくて、他の策を講じて失敗したら、結局は義兄夫婦に負担をかけることになる。義兄夫婦はもう精神的に一杯一杯だと思うから、私がそれを彼らに強いることはできない、と言いました。「あんたそれで納得しているなら、それでいいよ。私はあんたが後悔するんじゃないかと思っていっているだけだから」と。

私は納得しているつもりではありました。でも、本当にそうなんだろうか。考え始めるとわからなくなります。

夫に電話して、肉親である夫の意見を確かめることにしました。夫としては、やはりやるだけのことをやってみたいとのこと。「でもそのためには、お兄さんたちに再び負担を強いることになるんだよ」というと、夫が兄夫婦と話すと言いました。

しばらくして、夫から「話した結果、やっぱり他の策も講じてみて、だめなら入院ということにしたい」と連絡がありました。すぐに義兄夫婦に電話をしました。義兄は「ジョダ子が一生懸命やってくれていることはよく分かっているよ。僕たちもやはりヘルパーを入れて少しやってみて、それでもダメなら、僕たちが入院の手続きをするから、ジョダ子が今いるうちに何か結果を出そうと思わなくていい」と言ってくれました。

私は私がいる間に何とか結果を出さなければいけないと思っていたので、そう言われてとても安心しました。やはり、皆でいろいろやってみた後、それしか方法がないと納得して進まなければなりませんものね。

ということで、一旦結論を出した入院ですが、明日はケアマネージャーさんに前言撤回して、ヘルパーでやってみるべく相談することになりました。

たった3日、義母と一緒に過ごしただけで、精神的に磨り減ってしまった私。24時間7日間、認知症の肉親の面倒を見ているご家族は、どれほど精神的な負担を強いられているのか計り知れません。

新たな方向性が確認できて、やっと精神的な落ち着きを取り戻した私です。

2 件のコメント:

テンテン さんのコメント...

jodakoへ

とりあえず、新たな方向が見えて一安心ですね。

人は結局自分しか見えないものだと、
つくづく自分を省みながら思います。
でも、誰しもそれは仕方のないこと。

お義母さんが自分以外の他人を寄せ付けないのは、
そういう人生を何十年も歩んできたからなのかもしれませんね。

認知症になると、それまでの人生のあり方によって、
その症状が出てくるといいます。

私の父の場合は、
死んだ祖母(父の母)、戦争中に病死した兄のことばかりが
妄想の中に出てきたようです。

挙句は母(自分の妻)のことを母親と間違えるほど。
それほど、自分の母親への思いが強かったのかもしれません。

徘徊をするという人も、
実は何かが目的でどこかにいく、何かを探しにいく、
あるいはどこかから家に帰るということに
とても執着しているからだといいます。

どんなことも、
無意味にそういう症状が出ているわけじゃないんですね。

ただ、本人もさることながら、
周囲の人々はご本人の行動や症状の理由や原因がわからないから、
つい、何もわからずにやっているんだと思い込んでしまう。
「彼は(彼女は)、認知症でわけわからないでやっているから仕方ない」と
思うほうが楽だからです。

でもきっと、それぞれにきちんと理由や原因がある。
それはあらゆる利害や建前などを差っぴいた、
裸の心がそうさせているのだなと、
つくづく思うのです。

さて、自分が認知症になったら、
どんな症状が出るのだろうかと、最近マジで考えてしまう私です。

Jodako さんのコメント...

うぐぐぐ・・・
今日ケアマネさんを交えて義母と話し合った結果、やっぱり入院しかないと私は確信してしまったよ・・・。
相当な抵抗(剣幕)で、頑としてヘルパーは受け入れようとしない。
私が掃除するのも拒否します。
でも日進月歩で認知症は進んで行っている。このままではごみ屋敷で糞尿にまみれて住むことになってしまう。
実際にはそういうお年寄りがいることも事実。家族が放置して・・・と思っていたけれど義母のケースを見て、入院を除外すれば、それ以外仕方がない場合もあるのだ・・・
あー