ぼちぼちと不況の影響の話を耳にするようになった。
シナコは今年の7月にパリのヴァレリーのところに1ヶ月お世話になる。冬休みに遊びに行ったときに、ヴァレリーが「パリに来たくなったらいつでもおいで。長く居てもいいからね」と何度も子供たちに言ったからだ。「そんな安請け合いして、知らんよ。わたしゃ責任取りませんからね」と言っても、「全然大丈夫。いつでもおいで!」と言い切ったものだから、シナコはすっかりその気になってしまったのだ。
マイレージで航空券を取り、あとは向こうにお任せだ。最初の2週間はヴァレリーも休暇で、毎年この時期はノルマンディーにあるショゼ島という小さな島に行くことになっている。シナコも一緒に連れて行ってもらう。私も昔ヴァレリーに連れて行ってもらったことがあるが、ほーんとに何もない田舎だ。シャワーも外で、誰かが横でポンプで汲み上げていたような記憶が・・・。
その後の2週間はパリ。ヴァレリーは毎日仕事で出張もあるので、午前中はアリアンス・フランセーズという語学学校に行かせようと思っている。
シナコが夏休みをパリで過ごすと聞いて、学校の友達が自分も行くと言い出し、その子と妹の2人で2週間パリのホテルに滞在して一緒に語学学校に通うという話になった。
「流石、グリニッチの人やなぁ。子供2人だけでホテル? そのあとスイスでお母さんと合流するって? お母さんはスイス人やて?」
ところが、私が日本から帰ってきたら、「友達は行かなくなった」と言う。理由を聞くと、「お父さんがCitibankなんだって。」
キニコも夏休みにカリフォルニア出身の大学の友人のところに遊びに行きたいと言っていた。「でも、まだ行けるかどうかわからない。友達がコスタリカのプログラムに申し込んでいて、受かったら行ってしまうから」
先日電話で「カリフォルニアに行くことになった。コスタリカに行けなくなったんだって」と言う。理由は、「コスタリカに行くには4000ドルかかったんだけど、お父さんが解雇されたんだって。だから彼女は夏休みは仕事するの」
そんなところに遊びに行っていいのかな。
「ね。どこの家も大変でしょ。あんたも公立行ってくれると、うちも助かるんだけど」
「うん・・・」
今回は、私の言葉もちょっと心に響いたよう。
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