2010年4月9日金曜日

シナコの大学事情 (9)

シナコが一番行きたいというカリフォルニアの大学に、再度交渉した結果、「本年度の経済状況が大幅に変わるということだが、実際に変わらない限りは、現在の回答額からは変更できない」との返答。と言うことで、この学校への望みは断たれました。

これでシナコが納得するかと思いきや、「行けなくてもいいから、学校は見たい!」

返事がある前に、各大学を訪問すべく旅程や費用を調べてたのですが、この大学の説明会の日程に合わせてカリフォルニアへ行くには往復750ドル掛かることが判明。

「そんな、行きもしない学校を見に行っても仕方ないでしょ? 安ければまだしも、750ドルだよ! 2人で1500ドルだよ。しかも飛行機で片道5時間だよ。」
「でも見たいもん。もしかしたら将来トランスファーすることもあるかもしれないし…」
「だけど1500ドルも出せないでしょ」
「でも、もうこの大学行けないんでしょ? だったらお金あるでしょ?」

…なんじゃ、その理論。

あまりにしつこいから、
「じゃあ、わかった。そんなに行きたければ、お金は出してあげるから一人で行きなさい」
「えー。一人じゃ無理だよ。ロスまで一人で行けないよ」
「はぁ~?? 大学に行くときは一人でしょうが?」
「いや、大学に行くときは一人で行けるよ。」
「じゃあ、今でも一人で行けるでしょう」
「…でも、ずるいよ」
「何が?」
「だって、ママはキニコの時には一緒にいろんな大学を見に行ってたじゃない。だけで私とはどっこも見に行ってないんだよ。ずっと仕事でいなかったじゃない!」

ははぁ・・・。真相はここにあるのか? 
要するに、私がシナコのことにほとんど構わなかったことにこだわっている? (「うるさい」お母さんと行きたいっちゅうわけ?)

実は上記の会話以上に、もっともっと延々と数日間に渡ってシナコとの応酬は続いたわけです。私もそれで疲れ果て、コイオも行きたい大学をあきらめなきゃいけないシナコを可哀相に思ってか、私に「一緒に行ってやってくれ」と。

じゃあマイレージで飛行機が取れたらと言う条件で、そして見学して「やっぱり行きたい」というのはナシね、と言うことで合意成立。きっと世間の皆さんの目には「甘い」と映るのでしょうね。

マイレージでは何とか3席の真ん中の席がぽつぽつ空いており、行きも帰りも2人ともバラバラです。(そのほうが良かったか?)せっかくカリフォルニアまで足を延ばすので、ちょっと観光もしようかと色気を出しましたが、都心だからホテルも高い(ポイントで予約したので無料ですが、ポイントもたくさん必要)ので、説明会にだけ参加してトンボ帰りです。

と言うことで、この週末から、シナコを納得させるための一連の大学巡礼が始まります。

皮切りは11日(日)のニューヨークはブロンクスにある大学。この日はコイオの帰国日のため、シナコだけが参加。コイオを空港に見送った後、私も途中から参加。でもロスへのフライトに乗るために、最後まではいられず、途中で抜けて空港へ。6時のフライトで、到着は10時過ぎ(東海岸時間では午前1時過ぎ…)。
翌12日(月)は終日説明会。
13日(火)の昼12時のフライトで帰宅。到着は午後8時。

16日(金)に車でヴァージニア州へ。17日(土)にW&Mという州立大学を見学。(ここも授業料高過ぎなので望みなしと知りつつの見学。)
18日(日)移動、ノースカロライナ州へ。
19日(月)大学見学
20日(火)帰宅 運転時間、10時間半。

おまけに、「ママ、行かないけど、この大学も見ておきたい」と、合格したニューヨーク州にある大学も見たいだと。えーい、もうままよ! 「じゃあ、14日(水)に、行きたきゃ連れてってあげるよ。」
…片道4時間半の距離です…。

全ての巡礼を終えて、シナコが納得して決めてくれることを祈ります…。
(それはないかもって気もしてきた。一生「私はあの時…」とか言いそうだ。)

4 件のコメント:

eri さんのコメント...

ほんとに、アメリカの大学って大変だね(T0T)。とてもじゃないけど払える金額じゃないんだけど・・・

州立でもそんなだったら、お金のない人はどうしたらいいの~?だよね。
以前ランクを下げたらもらえる奨学金が多くなる可能性が出るという話を書いていたじゃない?で、大学のランクを下げても就職に大差はないからそういうことがありなんだよね???

逆に「いい大学」に大枚はたいていく意味というのはステータス?周りの友達?
教授陣は結構いいペイのところにホップしちゃうみたいだから「この大学は先生がいいから」というのはあまりあてにならないわけでしょ?

と、すごく一般的なことをJodakoさんに聞くのもどうなのかと思うんだけど、疑問に思ったのでした。

Jodako さんのコメント...

Eriちゃん

私のこの回答は偏見に満ちた個人の見解だから、実際のところはわからないし、人によって見方も考えも違うと思うよ。でも敢えて書くと、

まずアメリカの大学の授業料が高いことについては、これは多分ここ10年ぐらいで急激に上昇したことがある。社会問題にもなっていて今年の一般教書演説でもオバマ大統領が大学側に歯止め策を要求してたよ。どうしてここまで高くなるのか良くわからない。

つぎにお金のない人はどうするかだけれど、お金がなければファイナンシャルエイドがもらえるから、返って楽だと思う。(勿論本当にお金のない人たちが良い大学に入るためには人一倍の努力が必要でしょう。でもそういう議論はさて置き、単に金銭的な切り口だけで話すね。)どのレベルを「お金がない」と言うかと言う事になるけれど、例えば資金力のあるハーバード、イェール、スタンフォード大学では、だいたい年収が20万ドル(=2千万円)くらいまでだと、年収の1割だけ支払えばよい。12万ドル以下だと無料だよ。1割だと2万ドルだから、5万ドルに対して2万ドルだから、かなりのバーゲンでしょう?

でも年収2千万円を「お金がない」とは言わないよね。無論、ここまで鷹揚なのは、寄付金があって資金力のあるごく一部の大学ではある。だけどいわゆる有名な私学はどこも奨学金を受けている学生の比率をみると、半分以上は何らかのエイドを受けているよう。でもシナコのように5000ドルという少額でももらっているには変わりないけど。

高い授業料を自分で払っている人たち(多くは学生がローンを抱えている、学生ローンだけは今のところ自己破産しても免除されない)は、どうしてそこまでしてステータスのある大学に行きたいか?

理由はいろいろとあると思うよ。少し前までは有名大学を出ればある程度将来が保証されたという事情はあったでしょう。でも不景気ということもあり、今はそうじゃない。無理してローン抱えて有名校を卒業したのに仕事が見つからないという話もよく聞くよ。

純粋にコレが勉強したいからこの大学のこの教授の門下で学びたいという人もいるでしょう。極少数だと思うけれど。大学教授がホップするというのは、どちらかと言うとまれなケースじゃないかな。かなり高名な教授で、莫大な金額やプレステージのあるポジションをオファーされるというなら話は別だけれど。テニュアの教授になるのは大変だから、そんなに簡単には移動しないと思う。それに本当に世間でも有名な大学教授だとしたら、枯れのクラスを取ること自体ものすごく大変だと思うよ。それなりのレベルじゃないとそんな授業と取れないでしょう。

ランクを下げたら奨学金が出やすいとことだけど、事実シナコもある大学からメリット奨学金をオファーされてたの。授業料38600ドルに対して22300ドルだから、かなりの額でしょ。(寮費で14500ドル掛かるので、それでもかなりの経費負担はある。でも他と比較すると現時点ではここが一番安くなっている。)

就職で何が決め手になるのか良くわからないよ。ただ私の偏見を許してもらえるなら(私の日本に対する偏見は私が大学を出た頃の話なので、今の事情とは違うかも)、日本の場合どこの大学を出たか、就職の時に名前だけで判断される場合が多いよね。どこの大学で何を勉強して、どんな成績を収めて、何ができるのかを実際に問われることはなかった。だけど北米の場合は、これも思い込みかもしれないけれど、どこの大学もあるけれど、そこで何を勉強して何を実際に学んでどんな成績で、その結果何ができるのかが問われていると思う。大学入試の時と同様。

だから多少ランクは低くても、メリット奨学金を受けていたということ自体プラスに作用するだろうし(シナコの場合、GPA3.0以上を維持しないと、奨学金はもらえなくなるし)、自分がそこで何をしてきたがが重要。

ハーバードでオールCよりは、他でオールAで、更に色んな奨学金を受け(入学してからも成績がよければメリットが授与される)、いろんな体験して何かの形で認められているほうがいいと思うけどね。←でもこんな子は、ハーバードにだってきっと入れるレベルの子だったってことでしょうね。出来る子はどこに行ったって通用するのよ、きっと。

大学の選択に関しては、地域差も大きいと思う。特に東海岸のこの当たりは、大学の種類も多いし、お金持ちも教育熱心な人も多い。カリフォルニアも大学が多いし、ここと事情が似ていると思う。だけど私が以前住んでいたオハイオをはじめ、アメリカの殆どの州の大半の人たちは、他の州の大学など全く視野に入っていないと思う。そう言う地域では、州立大学うや地元の私大(小規模で学費もそれほど高くない)に進学するケースが一般的だと思います。州内の州立の学費であれば、そこまで高くないからね。

我が家の場合は身の丈に合わぬライフスタイルを選択してしまったことが、今のこの状況のを作り上げたのだと思うよ。けれど、キニコをプレップスクールに入れた時に、まさかここまで授業料が高いとは認識していなかったのだよね・・・。

プレップスクールに子供を行かせるような人は、資金力がある家か、ファイナンシャルエイドが受けられるくらい頭脳明晰な子供たち。キニコのプレップの友達でも誰もお金のことでは悩んでなかったよ。うちくらいだ。

一方今住んでいる場所はアメリカでもトップクラスのお金持ちの町でしょ。勿論ミドルクラスも住んではいるけれど、それにしても当たり前のように多くがプレステージの高い大学を受験して進学している。たまたまシナコの周りにそう言う子が固まっているのかも知れないけれど。話を聞くと、ここは本当に公立か?プレップスクールじゃないの?と思うくらい、凄いよ・・・。そんな中にいると「私も」と思ってしまうのでしょうね・・・。そう言う高校に行くべく住居をこの町に選んだのは私たちだから・・・。

なんだか私のぼやきになって、回答になったのやら。

Unknown さんのコメント...

今日は16日金曜日だから、まだ大学巡礼は完了してない。でも、もうちょいだよ! 頑張れ順子ママ、頑張れシナコ!

Jodako さんのコメント...

ありがとう!
今日はヴァージニアです。渋滞も多くて片道8時間かかりました。明日ノースカロライナへ移動。早く観念してくれないかなぁ・・・。